幼稚園・保育園の送り迎えや街中のお買い物では、自転車が大活躍ですよね。ただ抱っこ紐をして運転することは自転車事故につながる可能性もあり、ときに子どもの命を危険にさらすことがあります。
また地域の規則や法定を知らないと、気付かないうちにルール違反をしてしまっていることも。そこで、今回は抱っこ紐をして自転車に乗るときのルールや注意してほしいことなど、おさえておきたいポイントをご紹介したいと思います。
これを読んで、明日から親子で安全な自転車ライフを送ってくださいね。
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子育てで自転車を使う3つのメリット
まずは子育てをしている中で、自転車を使うメリットについて考えていきましょう。
- 幼稚園や保育園への送迎がしやすい
- 買い物にいきやすい
- 住宅街の細道もスイスイ移動できる
自転車で幼稚園や保育園へ送迎ができたら、時間も少し余裕ができます。あとは子どもの支度が早くできたら良いですね。こちらの記事を参考にしてみてください。
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自転車に乗る時に、おさえておきたい5つのポイント
法律ではどうなっているの?
抱っこ紐をして自転車に乗ることは、法律上OKなのでしょうか?実は細かい規定がなく、道路交通法では基本的に運転者以外の人を乗せるのはNGですが、都道府県の定める一定の条件を満たしていれば赤ちゃんを乗せることが認められています。
では5つの県別に条件を見てみましょう。
- 東京都…運転者は幼児1人を子守バンド等で背負って運転できる
- 神奈川県…幼児1人をひも等で確実に背負って16歳以上の者が運転する場合は認める
- 埼玉県…運転者がおんぶ紐で4歳未満の幼児を背負うことは認める(抱っこは抱っこ紐を使った場合でも認めない)
- 千葉県…16歳以上の運転者が幼児1人を確実に緊縛して、自転車に乗車する場合を認める
- 静岡県…16歳以上の運転者が4歳未満の子どもをひも等で確実に背負っている場合は認める
そうなんです。顔が見られるから抱っこでもいいのではないかと思ってしまいますが、そこが大きな勘違いポイントなのです。
- 進行方向を変えづらい
- バランスを取りづらい
- 転倒時に赤ちゃんが大きな衝撃を受けやすい
子どもを抱っこして自転車に乗ると、運転しづらいだけでなく子どもにもケガのリスクも負わせてしまうのです。さらにそれを検証した実験結果があります。
こちらは、子どもの事故防止に取り組む小児科医や研究者のグループが実験をした動画です。子どもをおんぶした状態と抱っこした状態で自転車ごと転倒した場合、子どもが頭にどれだけのケガを負うのかを検証しました。
結果は、骨折した時の衝撃の基準値を遥かに超え、最大約17倍。「超危険」判定でした。これは衝撃的ですよね。おんぶをしての運転は法律上認められていますしとても便利ですが、危険と隣り合わせだということを忘れてはいけません。
運転のしかたに気をつける
スピードを出しすぎず、余裕を持った運転をする
子どもとのお出掛けは計画通りにいかないことだらけですよね。出発直前にバタバタして、自転車に乗ったら猛ダッシュ!なんてことも多いと思いますが、その運転には多くの危険が潜んでいます。
- 自転車が重いとブレーキが効きづらい
子どもを乗せることで自転車が重くなると、ブレーキの効きが悪くなり制動距離(ブレーキをかけてから止まるまでの距離)が長くなります。スピードを出しすぎず、いつでも止まれる速さで運転しましょう。
この動画は、一般の自転車と2人乗せ適合車でブレーキをかけた時の制動距離を比較したものです。
- 子乗せ運転は不安定
適合車は値段も高いため、一般車にチャイルドシートをつけている方も多いと思います。動画でもわかるとおり、子どもを乗せるとハンドルが重くとてもバランスがとりづらくなってしまいます。
また小石やちょっとした段差でもハンドルを取られる危険性があります。1人で乗るときとの違いを十分理解しましょう。
- 子どもの予想外の行動に気を付けて
子どもは走行中に眠ってしまったり、あっ○○ちゃんだ!と振り返るなど、予想外の動きをします。そのことを運転中は常に意識し、子どもの様子にも十分注意しながら走行しましょう。
雨の日の運転は避ける
最近はチャイルドシートにかける雨除けをつけて運転されている方もいますよね。ただ雨の日の運転は晴れているときには起こらない事故も多く引き起こしてしまいます。
- ポンチョやレインコートの裾を車輪に巻き込む
- レインコートのフードで周囲の音を遮断してしまう
- マンホールや白線の上で滑る
抱っこ紐をして自転車に乗れるのはいつから?
そもそも抱っこ紐をして自転車に乗れるのは、生後何か月くらいからでしょうか?原則としては「前抱きではなくおんぶで抱っこ紐が使用できるようになってから」です。だいたい生後3~4か月の首すわり、または生後6~7か月の腰すわりができてからになります。
ただ、抱っこはいつもしているからできるけど、おんぶはちょっと不安に思っているママもいるのではないでしょうか。そこで安心・安全におんぶができる、おすすめの抱っこ紐をご紹介します。みなさんのお気に入りが見つかるといいですね。
- バディバディ
赤ちゃんの落下を防ぐ「セーフティサポート」が付いているので、安心しておんぶができます。なんとウエストに抱っこ紐をつけたまま、収納袋なしでポーチの様にまとめることもできます。
- ルーポップ トゥインクルスター
子どものずり落ちを防止する「レッグホルダー」が付いているので安心しておんぶができます。軽くてコンパクトなので、持ち運びにも最適です。
高い位置でおんぶができるため、家事をしながら子どもとコミュニケーションを取ることができます。また、細かいサイズ調整ができるので、パパ・ママ兼用で使ったり子どもの成長に合わせて長く使うこともできます。
- ママイト 抱っこ紐
背中にジッパーがある抱っこ紐です。ジッパーを下げれば、眠っている子どもを起こすことなく簡単に下すことができます。薄い布でできてるので、上からアウターを着てもかさばりません。
抱っこ紐の種類によっておんぶができる時期は異なるため、すでに抱っこ紐がある方は確認してみてくださいね!抱っこ紐選びにお困りの方は、こちらの記事もご覧ください。
抱っこ紐でしっかり赤ちゃんを固定する
走行中は赤ちゃんにとって大きな振動がありますので、1歳になったからといって無条件に乗せるのではなく、赤ちゃんの発達状況や体格などを考えて乗せ始める時期を決めましょう。
まだ自分で体を支えられない子どもを、チャイルドシートに乗せて走行するのは危険です。1歳を過ぎ、ヘルメットがしっかりかぶれるようになるまでは、子どもをおんぶし、抱っこ紐でしっかり固定することが大切です。寒い時期なら、運転する人が風よけにもなれますね。
「SGマーク」や「BAAマーク」のついている自転車を選ぶ
- SGマーク
一般財団法人製品安全協会が定めた、安全基準・製品認証・事故賠償が一体となった制度のマークです。
- 消費生活用製品の安全性品質・使用上の注意事項等に関する基準(SG基準)の策定
- SG基準に基づく認証及び認証済み製品への表示(SGマーク)の許可
- SGマーク付き製品の欠陥による人身事故に対する賠償措置の実施
- BAAマーク
一般社団法人自転車協会が、利用者の安全を第一に考え制定した、自転車安全基準に適合した自転車に貼られるマークです。
- ブレーキテスト
- 制動性能テスト
- フレーム強度テスト
- ハンドル衝撃テスト
- ペダルの強度テスト
- スポーク(車輪を構成する細い棒)張力テスト
- リフレクター(反射板)の光度テスト など約90項目
おすすめ自転車
自転車を買う前に知っておこう
- フロントチャイルドシート
自転車の前に装着するチャイルドシートで、子どもの様子をすぐに確認できる安心感があります。ただ成長して体重が増えると、ハンドル操作が重たくなってしまいます。
- リアチャイルドシート
自転車の後ろに装着するチャイルドシートで、後ろを振り向かないと子どもの様子を確認できません。後輪に重さがかかることで安定するのが特徴です。
※チャイルドシートには適性年齢や身長・体重が決まっているので、購入前に確認しましょう。
電動タイプの自転車
- ビッケモブ
適応身長の目安は142cm以上、3人乗りの場合は152cm以上です。
スタイリッシュなデザインで、パパママ兼用で使えます。
安全に包み込むような繭(まゆ)型のチャイルドシートを搭載しているので、初めて子ども乗せ自転車にチャレンジする方におすすめです。
電動なしの自転車
- ふらっかーず キュートミニ
特徴的なアップ型ハンドルバーで、小柄な方でも楽に運転できるようになっています。
- a.n.design works
超衝撃吸収パッドや5点式シートベルトで安全に子どもを乗せることができます。
お好みの自転車はありましたか?自転車屋さんで試乗するだけでも楽しい妄想が広がりますよね!ぜひお近くの自転車屋さんで、おすすめ自転車を探してみてください。
まとめ
- 抱っこ紐をして自転車に乗るときに知っておきたいポイント
- 法律では抱っこ紐でおんぶしたときのみ自転車の乗車が許される
- 抱っこ紐を使って自転車に乗る際はゆっくり走行し、雨の日は避ける
- おんぶもできる抱っこ紐の種類は豊富。パパやママの体型に合っている抱っこ紐を選ぶ
- 自転車に乗る時には子どもを抱っこ紐でしっかり固定する
- 国内の安全基準として設けられている「SGマーク」や「BAAマーク」のある自転車を選ぶ
いかがでしたでしょうか。とても便利で日常に欠かせない存在である自転車ですが、一歩間違うと大きな事故やケガにつながってしまうことがわかりましたね。
わたしは2歳の子どもを、子乗せ自転車の前かごに乗せている状態で、車に衝突されたことがありました。幸い車のスピードがゆっくりだったこと、またヘルメットとシートベルトをしっかり着用していたことで大きなケガにはならずに済みました。
もし、ヘルメットやシートベルトを着用していなかったらどうなっていただろう。抱っこ紐で抱っこやおんぶをしていたら、と考えると今でも怖くて震えます。
日々親子で楽しく過ごすためにも、それぞれができる安全対策をしっかり心掛けていきましょう。