滲出性中耳炎という耳の病気、知っていますか?
初めて聞いた!というあなたのお子さんも、既にかかったことがあるかもしれません。また、特に10歳未満のお子さんはこれからかかる可能性が大いにあります。
今回は、あまり知られていないけど、知っておきたい耳の病気、滲出性中耳炎についてまとめました。症状に気付く為のポイントは要チェックです!
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滲出性中耳炎ってどんな病気?
子育てが始まると、病院に行く機会が増えますよね。熱がでたり、身体にポツポツができたり。いつもと違う泣き方をしていたり具合悪そう。
何か症状や気になることがあると病院に行ってみようってなりますよね。でも、症状になかなか気づかない病気もあるようです。
多くの子供が小学校に上がる前に一度はかかっている、といわれているのが滲出性中耳炎。その症状は難聴や耳詰まり。
子供が難聴の症状をお母さんやお父さんに伝えることはほとんどないので、気づかないことが多いようです。
気づかないまま、放置して悪化すると入院手術が必要になる癒着性中耳炎(ゆちゃくせいちゅうじえん)や真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん)になってしまうことも。
しんしゅつせいちゅうじえん
って読むらしい。
よく聞く中耳炎に、滲出性とつくだけで急に?がつきますね。
しかも気づかないうちに子供が難聴になっているかもしれないなんて、恐ろしい。
特に小学校に上がる前までの子供は言葉をたくさん覚えたり、好奇心旺盛にいろんなことを吸収する頃なので、軽度の難聴もその妨げになる危険があるようです。
うちの子はなんでお話が聞けないんだろう、と悩んでいたら軽度の難聴だった!なんて後から気づくのはショックですよね。
そうならないようには早めに気づいてあげることがやはり大事なようです。
そのためにも、滲出性中耳炎、どんな病気か見てみましょう。
滲み出るとは?
まず耳の中、鼓膜の奥に中耳腔という空気が入っている場所があります。ここから、耳管という管が鼻に繋がっています。
引用: 加賀耳鼻咽喉科クリニック
耳管を通して鼻から比較的弱い炎症が中耳腔に入ると、中耳腔の細胞内から炎症性の水(滲出液)が滲み出てきます。
耳管の働きが良いと、この滲出液を外に出してくれるのですが、働きが悪いと中耳腔に貯まったままになります。
この状態が滲出性中耳炎といいます。
いつもは閉じていて、あくびしたり唾を飲み込むと開くんだそうだ。
これでしんしゅつの謎も解けたけど、よく聞く中耳炎とはどう違うのかしら?
症状 (よく聞く中耳炎との違い)
中耳炎って聞くと、耳が痛くなったりしそうなのに。
滲出性中耳炎は、炎症がごく弱いので、熱もでなくて痛みもほとんどないんです。
一般的に知られている中耳炎は、本名・急性中耳炎。耳管を通して入ってきた細菌に感染して中耳が炎症を起こすので、熱がでたり、痛みを伴います。
薬を飲んだり膿をとったりして、熱や痛みがひいたあと、治療をやめてしまったり、治りきらないと滲出性中耳炎になることがあるそうです。
この他の原因もみてみよう。
かかりやすい条件
滲出性中耳炎は小学校低学年くらいまでの子供がかかりやすいといわれています。
一度治っても再発しやすく、8~10歳頃になると再発しにくくなるようです。
アデノイドが大きいと耳管の換気状態が悪くなるため、滲出性中耳炎になりやすくなります。アデノイドは3~6歳で大きくなり、7歳以降は小さくなっていきます。
引用:おかむら耳鼻咽喉科
アデノイドとは?
鼻の突き当たりの部分であり、鼻からのどに移行する部分でもある上咽頭にあるリンパ組織のかたまりをアデノイドといいます。
滲出性中耳炎になる原因で多いのが、急性中耳炎が治らなかった場合。
その他、耳管の働きを悪くする鼻や喉の炎症は滲出性中耳炎の原因にもなります。
- 急性副鼻腔炎
- 慢性副鼻腔炎(別名は蓄膿症)
- 急性咽喉頭炎
- かぜ
- アレルギー性鼻炎
- アデノイド肥大
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耳鼻科に行こう
静かなる中耳炎、とも呼ばれているって。
でもよく聞こえないのはほんと心配。ちょっと聞いてるの!?なんて子供を怒ってたら難聴だった、とか辛すぎる。
病院に行くタイミング 症状に気付く為のチェックポイント
滲出性中耳炎に気づくためには、子供をよく観察することが大事です。
- テレビの音が大きい、前の方で見ようとする
- 呼んでも振り向かない
- 大きな声でおしゃべりする
- 耳によく手をやる
- 鼻水や風邪が長引く
こんな様子が見られたら、早めに耳鼻科に行って診てもらいましょう。
滲出性中耳炎ではなかったとしても、耳鼻科に行くと耳垢掃除などもしてもらえます。
そういえば、耳掃除なんてずっとしてない!という方はこちらの記事も読んでみてください。
病院でどんな治療をするの?
軽度な滲出性中耳炎は保存的治療といって、検査をしながら鼻の炎症などの治療がメインになるんだって。
数ヶ月の治療でよくなるようだよ。
ちょっと聞こえないくらい大丈夫でしょ、と思うような軽度な難聴も、言葉を覚える頃の小さい子供には大きなハンデになることがあるみたいだよ。学校に行き始めたら授業にも遅れちゃうし。
保存的治療で治らなかったらどうするの?
これでも繰り返す時は鼓膜に小さなチューブを入れて、傷口が閉じないようにして治すんだって。小学校前の子供は麻酔のために入院してやることが多いみたい。
どんなことでもそうだけど、やっぱり軽度なうちに気づきたいわね。
保存的治療
- 薬の服用
- 鼻の治療(鼻にスプレーをしたり鼻水の吸引など)
- 耳管の換気(鼻から細い管を入れて耳管に空気を通す)
なかなか治らないときの治療
- 鼓膜切開
- 鼓膜チューブ留置術
- アデノイド切除
対処方法
滲出性中耳炎になってしまった時の家での対処法は、予防法にもつながるみたいだよ。
鼻水とうまくつきあう
こまめに片方ずつやさしく鼻をかむ
両方を同時に強くかむと、鼻水が逆流して耳に入ってしまうことがあるそうです。
鼻をかめるようになってきたら、片方の穴を押さえてあげて、やさしくかむように教えてあげましょう。
鼻吸い器で吸ってあげる
自分で鼻をかめるようになるのは3~5歳頃。それまでは電動の鼻吸い器などで鼻水を吸ってあげましょう。
手動の鼻吸い器は吸引力が弱いので、粘りのある鼻水や、奥の鼻水がうまく吸えないようです。
鼻すすりをしない
垂れてきた鼻水を強くすすると、これも逆流して耳にはいってしまうことがあります。
携帯用には手動の鼻吸い器もいいかもしれないわね。
体の抵抗力をつける
鼻や喉の炎症が滲出性中耳炎につながるということがわかりました。体の免疫力をあげて、風邪などを引かないようにすることもやっぱり大事なようです。
- 好き嫌いをなくす
- 栄養バランスに気をつける
- 体を動かして体力をつける
小さい頃からお菓子ばっかりにならないように気をつけたり、いろいろな食材を使ってご飯を作るなど、意識してみるといいかもしれません。
子供が病気の時は買い物にもなかなか出られない、料理が大変、そんな時は食材宅配サービスの利用もおすすめです。
栄養たっぷりのおいしい野菜を届けてくれたり、栄養バランスバッチリなミールキットも便利です。
気になる方はこちらの記事も併せてご覧ください。
哺乳瓶でミルクをあげる姿勢に気をつける
哺乳瓶でミルクをあげていることが、急性中耳炎の原因になることがあります。
赤ちゃんを寝かせながらあげると、ミルクが耳菅を通して中耳に入りやすくなってしまいます。
哺乳瓶でミルクをあげる時は、なるべく頭を起こして、あげましょう。ゲップをさせることで防ぐこともできます。
まとめ
- 滲出性中耳炎は気付きにくい病気で、小さい子供がかかりやすい
- 軽度な難聴も小さい子供には大きなハンデになることがある
- 子供をよく観察して、難聴の兆しに気付いたら早めに病院に行く
- 中耳炎は完治するまで根気強くしっかり治す
- 鼻はすすらないでこまめにかむ、鼻吸い器で吸う
鼻水が止まらないけど、熱もなくて元気でご機嫌さん。
今までならお家で様子を見るけど、滲出性中耳炎を知った今、耳鼻科に行って診てらおう!と思う方も多いのではないでしょうか。
子どもにはお母さんのお話も、お友だちの声も、風の音や小鳥の声もクリアに聞いてほしいですね!
その為には耳鼻科を今までよりちょっと身近にして、気になる時は早めに受診しましょう。
でも漢字が読めないわ!病名から難しいわね!