耳かきが好きな方、結構いらっしゃるんじゃないでしょうか?私も耳かきが大好きで、ついつい耳かきでゴリゴリやってしまいます。
ですが、赤ちゃんの場合はそうもいきません。赤ちゃんの耳はデリケートですし、どうやって耳掃除をしてあげれば良いか悩ましいところでもあります。その上、なぜか耳あかがすごい事ってありませんか?
今回は、赤ちゃんの耳あかの特徴と、正しいお掃除方法について見ていきましょう。
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そもそも、耳あかって何者?
なぜ耳あかができるの?
耳あかは、耳の中の皮脂腺から出てくる分泌物と、新陳代謝によりはがれた皮膚や、外から入ってきたほこり等が固まってできています。赤ちゃんの場合、寝ているときに口からこぼれたよだれなどが耳に入ってしまい、耳あかになることもあります。
耳あかには、乾いた耳あかと湿った耳あかがあります。耳あかのタイプは遺伝で決まるので、乾いた耳あかの人はずっと乾いた耳あかのままです。日本人の約8割は乾燥タイプと言われています。
ただ、赤ちゃんのうちは湿った耳あかが主流で、1歳を過ぎたあたりから乾燥タイプに変わっていくことが多いです。
- 湿った耳あか:新陳代謝がいいとその分汗もかきます。そのため、赤ちゃんの耳あかは湿っている事が多いのです。
- 黒っぽい耳あか:生後間もない赤ちゃんから、黒っぽい耳あかが出てくることがあります。これは、ママのお腹の中にいた頃の羊水等が赤ちゃんの耳に入った為です。また、赤ちゃんのうちは皮脂がたくさん分泌されて多少茶色っぽくなることもあります。
- 臭い耳あか:寝ているときによだれ等いろいろな物が耳に入り、耳あかが臭いと感じることがあります。
耳あかには役割がある
耳あかなんてただのゴミ、と思っていませんか?実は、耳あかは悪者ではありません。きちんと役割があるんです。
- デリケートな耳の中(鼓膜や皮膚)を守ってくれる
- 抗菌効果があり、耳を清潔に保ってくれる
- 耳あかの成分には虫除けの効果がある
赤ちゃんの耳掃除って必要?
耳あかは悪者ではないですし、「耳あかは自然と押し出されて外に出て行くから、耳掃除は必要ない」という方もいます。確かに、乾いた耳あかであればしょっちゅう耳掃除をする必要はありません。
ただ、湿った耳あかは自然に出てくることはあまりありません。欧州の方の耳あか9は割が湿ったタイプだと言われており、欧州では歯医者さんに通う感覚で耳鼻科で耳掃除をしてもらうそうです。
また、大人に比べて子供は新陳代謝が良く、耳あかができやすいんです。赤ちゃんのうちは湿った耳あかになることが多いので、定期的に耳掃除をしてあげた方が良いでしょう。
赤ちゃんの耳あかは放置しない
赤ちゃんの耳あかを放置しておくと、耳あかが詰まってしまったり、耳が聞こえにくくなり言葉を身につける早さに支障が出てくる、という説もあります。
生後8ヶ月くらいから耳掃除デビューをすると良いでしょう。特に耳垢がねちゃねちゃしている赤ちゃんは、人よりも耳垢が自然に出にくくすごい量がたまってしまう可能性があります。
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正しい耳掃除の方法は?
トラブル注意!自宅での耳掃除
耳掃除は大人の私たちには身近なものなので、トラブル、と言われてもあまりピンと来ないかもしれません。ですが、赤ちゃんの耳はデリケートなうえ、小さいのです。下手に自分たちで耳掃除をすると、下記の様なトラブルにつながる可能性があります。
耳垢栓窒(じこうせんそく)
湿った耳垢が大量に耳の中に詰まってしまう症状です。耳掃除の際に耳垢を綿棒で押し込んでしまい、詰まってしまうことがあります。耳垢が詰まると、耳が良く聞こえなくなったり、耳に違和感を感じるようになります。
外耳炎(がいじえん)
耳かきで外耳道をひっかいてしまい炎症が起きます。外耳炎になると、かゆみや痛み、聞こえにくくなるなどの症状が出てきます。この症状は、過度に耳掃除をしすぎている方に多いと言われています。
外傷性鼓膜穿孔(がいしょうせいこまくせんこう)
耳かきや綿棒が誤って鼓膜を傷つけてしまった場合、鼓膜に穴が開いてしまうことがあります。これがが外傷性鼓膜穿孔です。小さい穴なら自然と塞がりますが、ひどい場合には手術が必要になります。
外耳道湿疹(がいじどうしっしん)
外耳炎と同じように、耳の中を傷つけてしまったことにより炎症が起き、湿疹ができてしまう症状です。湿疹ができるとかゆくなり更にかいてしまい、耳だれ(耳の中から液体や膿が出てくること)の可能性もあります。
耳鼻科で取ってもらうのが一番
赤ちゃんの耳あか掃除は、耳鼻科で取ってもらうのが一番です。わざわざ耳掃除の為だけにお願いするのもな・・・と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、耳掃除は耳鼻科の診療項目のひとつです。
●耳あかを取ってもらうだけで耳鼻科を受診してもいいの?
答:全く問題ありません。ぜひいらしてください。
家での耳掃除は限界があると思います。暗くて見えにくいし、どこまでやっていいかわからない。特に小さいお子さんだと動いたりして何となく怖いですね。そのような時は遠慮なく受診なさってください。耳あかを取るのは耳鼻科の仕事です。単純に耳掃除だけで終わることが多いのですが、耳あかを取った後に、奥にある鼓膜をキチンと見ることが重要だと思っています。頻度は低いですが、実はやっかいな中耳炎だったというケースがあります。
それに、耳かきをするのも忙しいママにとっては手間ですし、首も痛くなりますよね。ここはプロに任せて、ママさんは楽をしましょう。
任せられるところは人に任せて、自分の時間を作ることも、これからの子育て生活の中では本当に大切ですよ↓
どんな風に耳掃除をしてくれるの?
まずは耳用の顕微鏡を使って、耳の中の状態を確認してくれます。顕微鏡の映像はモニターで写してくれるので、パパママも赤ちゃんの耳の中を見ることができます。耳あかの状態によって、吸引器で吸い取ったり、専用のピンセットでつまみ出してくれます。
実際に顕微鏡で見た赤ちゃんの耳あかの様子が下記HPでご紹介されていますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。赤ちゃんでもこんなに耳あかがたまるんだ!とびっくりされるはずです。
宿久耳鼻咽喉科HP 耳あか掃除の写真
※「埼玉県の方」の項に赤ちゃんの事例が載っています。
耳鼻科での耳垢掃除は、保険の対象範囲
耳鼻科での耳掃除には保険が適用されます。料金は、安いところであれば500円、高くても2,000円くらいで済みます。(初診料は除く)
毎月耳掃除をする必要はありませんので、通院の頻度は2~3ヶ月に1度で良いでしょう。赤ちゃんによっては耳垢ができやすい子もいると思いますので、通院頻度はお医者さんに相談してみてくださいね。
自宅で耳掃除するときは
自宅での正しい耳ケアの仕方
やはり普段から耳ケアをしてあげたいという方は、下記に気を付けて耳掃除をしてあげてください。
耳かきを始める前に
耳かき中のトラブルを防ぐために、これだけは絶対に気を付けてくださいね。
- ペットやきょうだいが近くに来ない様にする
- 赤ちゃんの耳あか掃除は、入り口から1cmほどにとどめておく。
耳掃除の方法
- タイミングはお風呂上がりがベスト。耳あかがふやけて取りやすい。
- もしくは、ベビーオイルを綿棒に付け優しく拭き拭きし、耳あかを柔らかくする。
- 耳がよく見える明るいところで耳掃除をする。
- 手で赤ちゃんの頭を優しく固定し、動かないようにする。
- 耳の穴から1cm程度のところまでを、綿棒でくるくると優しく拭いてあげる
②無理に耳あかを取ろうとする必要はありません。
③月に1回のペースで耳掃除をしてあげれば十分です。
耳掃除アイテム
赤ちゃんの耳掃除には、耳かきは使わず綿棒を使った方が良いです。耳かきですと耳の中を傷つけてしまう可能性があります。
うちでは、赤ちゃん用綿棒を使っています。
ベビーオイルも持っていると、赤ちゃんが大きくなって耳垢が乾燥しだした時にも使えますので便利ですよ。
まとめ
- 赤ちゃんの耳垢は湿っており自然に出てきにくいので、定期的に耳掃除をしてあげる。
- 耳掃除は耳鼻科でやってもらうのが一番。むやみに自分で行うと、赤ちゃんの耳トラブルを引き起こす可能性がある。
- 自分で耳ケアをする場合は、耳の入り口から1cm位のところを、綿棒で優しくクルクルする程度で良い。また、きょうだいやペットが近くに来ない様にしておく。
耳あか掃除によって赤ちゃんを傷つけてしまうことがありますし、最悪の場合は赤ちゃんに聴覚障害などが残ってしまう可能性もあります。お家での耳ケアもいいですが、耳鼻科で見て頂くのが一番ですね。
耳鼻科では赤ちゃんの耳垢だけで無く、大人の耳垢も掃除してくれます。子供はすぐ大きくなってしまいますし、親子そろって耳かき体験というのも良いかもしれませんよ。耳掃除を先生任せにできるのであれば、ママの手間も省けるはず。
この機会に、是非お近くの耳鼻科に相談してみてくださいね。
耳かきだけに限りませんが、自分自身にするならなんて事ないことも、子供にしてあげるとなるとタイミング見てやったりと結構大変なものですよね。そんなことが日々続く、そしていつまで続くのか。。他のママさんはどうなんでしょう?↓