絵本の読み聞かせは、どのご家庭でも取り組んでいる事でしょう。「本好きな子供になってほしい」「頭の良い子供になってほしい」願いは人それぞれだと思います。
もちろん頭が良いに越したことはありませんが、社会で生きていくためには、それ以上に人間性を育む必要があります。実は、数ある絵本の中でも「動物の絵本」を読み聞かせることで、人間性を高めることができるのです。
今回は、動物の絵本がおすすめな理由と、動物がテーマのおすすめ絵本をご紹介していきます。
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動物の絵本が一番多い?
絵本と言っても、たべものがテーマの絵本だったり、のりものがテーマの絵本だったり、色々なテーマの絵本がありますよね。
実は、数あるテーマの中でも、動物がテーマの絵本が圧倒的に多いのをご存じですか?
引用:埼玉大学紀要 教育学部(教育科学)第 38巻第 2号「絵本に描写された 男らしさ・女らしさ」
このデータから、人間が主役の絵本よりも、動物が主役の絵本の方が圧倒的に多く出版れているのが分かりますね。つまり、動物が絵本のテーマに起用される理由があるのです。
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動物の絵本は子供の成長に不可欠
動物絵本の意外な効果
まずは、動物が絵本によく使われている理由についてご紹介してきましょう。
1.子供は動物に共感できるから
子供たちは、自由気ままな動物たちが大好き。意識せずとも「自分自身もそうありたい」と感じているのです。
例えば、子供界で定番のおままごと遊び。中でも子供たちに人気の役は、「わんわん(イヌ)」と「にゃんにゃん(ネコ)」なのをご存じでしたか?
イヌ役とネコ役が人気の理由は、自由にのびのび遊べるからです。ママ役になると、洗濯をしたり、お料理をしたり、ママの役割がたくさん。でも、動物になれば、何にも気を使わず、好きなことをして遊べます。
そのため、子供たちはいつも自由でのびのびとしている動物に共感できるのです。
2.動物の絵本だからこそ、世界観に入り込めるから
絵本の魅力は、子供たちがその世界観に入り込めること。中でも動物が主人公の絵本では、現実世界と動物(絵本)の世界を区別することができ、子供たちも安心してわくわく、ドキドキを味わうここができます。
例えば、物語の中で動物が食べられてしまう絵本はたくさんありますね。人が主人公だと、子供にとってはただの「怖いお話」になってしまうことがありますが、動物界のお話であれば、思いのほか割り切って読むことができるのです。
3.動物だからこそ、教訓が伝わりやすいから
3つめの理由は、動物だからこそ、私たちにわかりやすく真実や知恵を与えてくれるからです。
皆さんも、動物によってそれぞれイメージを持っているのではないでしょうか。例えばイヌ。イヌは人なつっこく、良いお友達(または家族)になれるというイメージがありますよね。
ライオンは、格好良くて強いイメージ。ゾウは、優しくて穏やかなイメージ。このような動物のイメージが、物語の教訓をより分かりやすくしてくれているのです。
動物好きに悪い人はいない
- 優しく、愛情深くなる
- 自分より小さい子の面倒を見てあげたり、困っている人を助けられる
- 感受性が豊かで、人の気持ちを分かってあげられる
子供たちは、おそらく絵本を通してはじめて「動物」という存在を知ることになるでしょう。動物園で動物を見るより早く、絵本の中で動物たちのことを知るからです。
絵本をきっかけに、動物に興味を持つようになる。その結果、本物の動物にも興味を持ち、好きになり、上記のような優しい気持ちを身につけられるのかもしれませんね。
【年齢別おすすめ】動物の絵本5選
【0才向け】動物の絵本
0才のうちは、「にゃんにゃん」「わんわん」といった、動物の鳴き声が出てくる絵本や、動物の見た目を題材にした絵本が良いでしょう。動物について理解を深めていくと、ますます絵本に興味を持ってくれますよ。
①わんわんにゃーにゃー
動物の鳴き声だけで構成されている絵本です。お話が進むにつれて色んな動物が登場するので、色んな動物の鳴き声を知ることができます。ページをめくる度に新たな発見がある、楽しい絵本です。
②まるさんかくぞう
「まる」「さんかく」ときて、なぜか「ぞう」。「ぞう」「ぞう」そして「しかく」。なんだかよく分からないけれど、カラフルなかたちと、ぞうの組み合わせが楽しい。気がついたら夢中になっている、そんな作品です。
③いないいないばあ
色んな動物たちが、次々と「いない いない ばあ」をしてくれます。くまさん、キツネさん、ネズミさん・・・ページをめくる度に、新しい動物たちに出会える絵本です。
④なーんだなんだ
「なーんだ なんだ くろいの ふたつ」動物のお耳が出てきて、クイズ形式で楽しむことができます。ページをめくると・・・「パンダさんだ!」正解すると、嬉しくて次のページも読みたくなる。子供心をくすぐり、読み聞かせを更に楽しくしてくれる絵本です。
⑤ぴょーん
ページをめくる度に、色んな動物が「ぴょーん」と出てきます。カエルが「ぴょーん」、ウサギも「ぴょーん」。子供も一緒に「ぴょーん」と手をあげれば、楽しく読み聞かせできること間違いなしです。
【1才~2才向け】動物の絵本
1才~2才頃には、挨拶などよく使う言葉を題材にした絵本や、からだを動かしながら楽しめる絵本が良いでしょう。動き回りたがる時期ですから、自分でトライできる内容の絵本がいいですね。
①ばいばい
色んな動物たちが、「こんにちは」「ばいばい」と話しかけてくれる絵本です。動物によって「こんにちは」「ばいばい」の良い方も変えてみるのも面白いですよ。この絵本を見ながら、子供と一緒に「こんにちは」「ばいばい」と声に出して言ってみましょう。
②できるかな?あたまからつまさきまで
動物たちが特有の動きをしながら、「できるかな?」と挑戦を仕掛けてきてくれます。子供たちは一生懸命マネをしながら、「この動物は、こんな動きをするんだ」と気付くことができるでしょう。
③ぞうくんのさんぽ
40年以上前から愛されているこの絵本。ぞうくんが、ユニークなお友達を上にのせながらお散歩する、なんとも愉快なストーリーです。子供たちも、「ぞうくんってこんなに力持ちなの?」と興味を持ってくれる絵本です。
④ぺんぎんたいそう
この絵本に出てくるのは、表紙に登場しているペンギン2羽のみ。でも、決して退屈ではありません。ペンギンたちのコミカルな動きに、思わず目が釘付けになってしまいます。近所では見ることのできないペンギンに、子供たちの好奇心も湧き上がることでしょう。
⑤ママだいすき
読むと思わず我が子をぎゅっと抱きしめたくなる、そんな絵本です。ぞうさんをはじめ、色んな動物の親子が登場します。ママのおっぱいをみんなで一生懸命吸っている、ブタのこどもたち。その他、その動物ならではの描写があるのも楽しい一冊です。
【3才~4才向け】動物の絵本
この時期の子供には、「嬉しい」「悲しい」といった感情を感じられる絵本が良いでしょう。言葉を理解できるようになって、人の気持ちを知ることができる段階に来ています。
①ぐるんぱのようちえん
ひとりぼっちのぐるんぱが、汚い場所で悲しそうに過ごしている場面から始まります。周囲に助けてもらいながら頑張るのだけれど、なかなか上手く行かない。辛いことがあるからこそ、喜びを感じる事ができる。現実的だけど、諦めずに頑張るパワーをくれる絵本です。
②ぐりとぐら
パパママも子供の頃から知っている名作ですよね。ぐりとぐらが、森のみんなと楽しくパーティーをする場面は、何年たってもわくわくする気持ちを与えてくれます。
③三びきのこぶた
オオカミに家を壊されてしまったブタたちがなんとか助かり、オオカミは逃げていくというのが良く知られたストーリー。ですが、この絵本では、最後にオオカミはブタの兄弟に食べられてしまいます。残酷なようで、子供たちに多くのことを伝えてくれる物語です。
④かばくん
この絵本の魅力は、動物園にいるかばくんの視点から描かれているところです。ねぼすけのかばくん。ゆったりとしたかばくん。かばくんは、子供たちの好きな「自由」の表れなのかもしれませんね。
⑤14ひきのあさごはん
14ひきのネズミの家族は、朝から元気いっぱい。みんなで協力して、朝ご飯の支度をします。小さなネズミも、きちんとお手伝いします。そしてみんなで「いただきます」。14匹の顔は充実感に満ちていて、子供の自主性を刺激してくれます。
【5才~6才向け】動物の絵本
この年頃の子供には、愛や喜びを学ぶことができる絵本がおすすめです。動物たちが主役の絵本を通して教訓を得ると、子供たちは必ず「自分だったらどうするだろうか」と考えるでしょう。
自分に置き換えて考える事で、大切な人の存在に気付いてくれること間違いなしです。
①おまえうまそうだな
大きなティラノサウルスが、「食べもの」としか見ていなかったアンキロサウルスの赤ちゃんを、ひょんなことからパパとして一緒に過ごすお話です。「情」がやがて本物の「愛」に変わっていく過程が、切なくも感動的なお話です。
②100万回生きたねこ
この絵本も昔から親しまれている名作ですね。自分大好きな主人公のねこは、これまで100万回死んで、100万回生きてきました。悲しんだことなどないねこが、愛するねこを失い、はじめて涙する物語。大人が読んでも涙が出てしまうでしょう。
③ジオジオのかんむり
ジオジオは、ライオン界でも最強の王様ですが、歳と共に「人の役に立ちたい」という意識が芽生え、子供たちの成長を見守る優しいおじいちゃんになっていきます。「人は誰でも一人では生きていけない」「人の喜びが、自身の喜びに繋がる」という教訓を与えてくれます。
④からすのパン屋さん
パパママと四羽の子供たちのお話です。苦しいときも家族みんなで助け合って生きていく姿が、(読んでいるこちら側の)家族の一体感を強めてくれます。辛いときこそ、明るく人を思いやることの大切さを学ぶことができる、素敵な絵本です。
⑤フレデリック
個性あふれるネズミのフレデリックが、その個性でみんなを明るい気持ちにさせていく物語です。成長するにつれて、まわりと考え方が違うことに悩む時期が出てくると思います。「みんな違って、みんな良い」。フレデリックは、私たちにそう思わせてくれます。
まとめ
- 動物の絵本だからこそ、子供たちが共感しやすい、教訓を得やすいなどのメリットがある。
- 動物好きな子供は、愛情深く優しい人間に育つ
- 0才のうちは、動物の鳴き声や姿がモチーフになった動物絵本がおすすめ。
- 1才~2才頃には、よく使う言葉や、からだを動かせる仕組みの動物絵本がおすすめ。
- 3才~4才頃には、色々な感情を学べる動物絵本がおすすめ。
- 5才~6才頃には、愛情について学べる動物絵本がおすすめ。
動物は、いつの時代も私たち人間にとって身近な存在です。時には癒やしてくれたり、時には自然の厳しさを教えてくれたり。
身近な存在だからこそ、親しみやすい。それこそが、動物が絵本に用いられる最大の理由なのかもしれませんね。
皆さんもこの機会に、動物の絵本で読み聞かせを始めてみませんか?