寒くなると体調を崩しやすくなり、赤ちゃんにとっても、授乳中のお母さんにとっても、体調にとても気を遣う季節になりますよね。
特に冬に流行するインフルエンザになってしまった場合、薬を内服してもいいのか、そして赤ちゃんへの影響も気になりますよね。
この記事では授乳中のインフルエンザについて、薬を内服してもいいのか、赤ちゃんへの影響、インフルエンザに再度かからないようにするためにどういった対策ができるのかを説明していきます。
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授乳中のインフルエンザ
まずはインフルエンザが何なのか、説明していくね。
インフルエンザって何?
インフルエンザというのは風邪とは違い、インフルエンザウイルスに感染して起こる感染症の一つです。インフルエンザにかかったときには、咳やのどの痛みだけでなく、高熱(38度以上)や全身の筋肉痛やだるさ、食欲不振などの症状が現れます。
インフルエンザと風邪の違いは、ウイルスの違いです。インフルエンザはインフルエンザウイルス、風邪は主にアデノウイルスやライノウイルスが原因となるウイルスです。
また、ウイルスが活動する時期も異なっています。アデノウイルスは12月~8月にかけて、ライノウイルスは3月~5月と9月~11月、インフルエンザウイルスは12月~3月です。
インフルエンザにかかると症状が重くなりやすくなる年齢層や持病があり、5歳未満の乳幼児もその年齢層に含まれます。それは、5歳未満の乳幼児は大人に比べて体力も少なく、また免疫力も十分に発達していないためです。
以下にインフルエンザと風邪の違いをまとめました。
授乳してもいいの?
インフルエンザにかかっても母乳からインフルエンザが移ることはないので授乳することは可能です。母乳には赤ちゃんの免疫力を維持する成分が入っているので、赤ちゃんにとっては母乳を続けることはいいことです。
しかし、母乳を作るには体力もいるので、インフルエンザにかかったお母さんにとっては授乳するのは辛いかもしれません。お父さんにも手伝ってもらえるよう、母乳を搾乳、冷凍保存しておくのも一つの方法です。
授乳中に薬は飲んでいいの?
インフルエンザにかかったときにはお薬を内服してもいいか判断に迷うと思います。お薬を内服しても授乳への影響が少ないお薬もあります。
処方箋薬
医療機関を受診するときには、受診の際に医師に「授乳中であること」を伝えましょう。処方箋で出してもらう薬を内服して授乳に問題はないのか、もし薬が母乳に影響する場合にはどうしたらいいのか、内服しないとどうなるのか、などを医師に質問しましょう。そのうえで、内服をすることがとても大切です。
薬局で買う場合
薬局で熱や咳だけの薬を購入することもあると思います。その場合には、薬局にいる薬剤師に授乳している上で内服薬を探していること説明し、どの薬が合っているのかを一緒に探してもらいましょう。
インフルエンザの時に処方されるのはタミフルなどの抗ウイルス薬よ。
インフルエンザにかかったときには早めに医療機関にかかることをお勧めします。
また、国立成育医療研究センターでは「授乳中にお薬を使うにあたって知っておいていただきたいこと」として授乳中のお母さんのためのお薬情報を提供しています。こういった情報に目を通してみることもお勧めします。
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赤ちゃんへの影響3つ
脱水に気をつけて
授乳中は体調が悪くならなくても水分不足になりがちです。それに加えて、インフルエンザで熱が出るとさらに水分が不足しがちになります。
母乳は赤ちゃんの栄養を含むごはんでもあり、水分でもあります。お母さんの水分不足によって、母乳の量が減ってしまう可能性があります。そうすると、赤ちゃんへの母乳が足りなくなり不機嫌になりやすいです。
インフルエンザになった時には、食欲もなくなりますが、水分もしっかりと摂るのを忘れないようにしましょう。
特に下痢や嘔吐しているときには、体の中の電解質バランスが崩れてしまいます。なので、水分を補給するときには、ポカリスエットやオーエスワンなど電解質が補給されたものだと飲みやすいです。
水分でさえも体が受け付けなくなった時(嘔吐してしまう)には、迷わず受診をしましょう。
バランスのよい食事を
インフルエンザにかかると食欲もなくなるし、そもそも食事を作ろうと思わないかもしれません。それでも、体調をできるだけ早く治すためには栄養がとても大切になります。
お母さんが食べたものが母乳になっているという事実と、それがプレッシャーになる場合もあります。なので、無理をしないように食べられるものを食べましょう。
もし、家族が来て手伝ってもらえる場合には、まず食べられるものを作ってもらいましょう。そして、少しでも食べられるなら、身体を守る役割があり免疫力を高める手助けをするビタミンA(うなぎ、レバーなど)、ビタミンC(みかん、パイナップルなど)、たんぱく質(肉、魚、豆類など)を積極的に摂りましょう。
家族が遠くに住んでいるなどの理由で、どうしても手助けを受けられないときには、ミールキットなど宅配サービスを利用することも一つの手段です。
以下に記事を載せておくので、よかったら参考にしてみてください。
赤ちゃんに移さないようにするために
お母さんがインフルエンザにかかっても、赤ちゃんのお世話は続きます。そんな時に赤ちゃんにインフルエンザを移さないようにすることはとても大切です。
インフルエンザは飛沫感染(ひまつかんせん)で広がっていきます。せきやくしゃみをした時に、インフルエンザウイルスを含むだ液が飛び散り、それを吸い込むことで感染してしまうのです。
なので、マスクをすること、くしゃみをした時に手で覆った時や鼻をかんだときには手洗いをすることが家の中で感染を広げないようにするために大事なことになります。
②くしゃみ、鼻を触った時には手洗いをすること
インフルエンザにまたかからないようにするために
ワクチンを打つ
ワクチンは任意なので、ワクチンにお金がかかるのが難点です。また、インフルエンザワクチンを打っても、インフルエンザにかかる可能性はあります。
しかし、赤ちゃんと一緒に住んでいるお母さんをはじめとする家族がワクチンを接種することで、赤ちゃんがインフルエンザにかかる可能性を低くすることができます。
また、赤ちゃんも1歳以上でワクチンを受けることができますが、小児科医によっては3歳まで打たないという場合もあるので、病院に問い合わせをしてみると良いでしょう。
厚生労働省では以下のように乳幼児におけるインフルエンザワクチンの有用性を伝えています。
乳幼児のインフエルエンザワクチンの有効性に関しては、報告によって多少幅がありますが、概ね20~60%の発病防止効果があったと報告されています。
インフルエンザワクチンを打つことで、赤ちゃんへの感染が防げることもあります。ワクチンを打とうか迷う場合には小児科医に説明をしてもらい、納得した上で打ちましょう。
インフルエンザワクチンを打つことで、一つ注意点があります。卵アレルギーがある人は、インフルエンザワクチンを打つことはできません。インフルエンザワクチンを製造する際に卵を使用しているからです。
赤ちゃんやお母さんに卵アレルギーがある場合は、人ごみを避けるなどウイルスをもらわないようにする必要があります。
睡眠時間をできるだけとる
授乳中のお母さんにとっては難題だと思います。体調がいいときでも、夜間の授乳で睡眠が途切れとぎれになるのでいつも睡眠不足ですよね。
インフルエンザにかかっているときには、睡眠をとることが大切です。赤ちゃんが寝ているときに掃除や洗濯などの家事をするお母さんは多いと思います。しかし、体調不良が続くと赤ちゃんのお世話がいつも以上に大変になります。
赤ちゃんが寝ているときに、お母さんも寝ることで体力を温存しましょう。
手洗い・うがい
赤ちゃんに移さないためにすることでも書きましたが、手洗いはインフルエンザを予防する上でとても大切です。
また、外出先がら帰宅したときにはうがいをしましょう。
加湿する
インフルエンザが流行する時期はとても乾燥します。空気が乾燥すると、インフルエンザウイルスが飛び散りやすくなり、ウイルスの活動が活発になるので、加湿器等を使用して湿度を50~60%に保つようにしましょう。
また、室温は18~20℃にするとよいです。
まとめ
- インフルエンザは風邪と違い、インフルエンザウイルスに感染することで起こる病気です。
- インフルエンザでは、高熱、全身の筋肉痛やだるさ、食欲不振など、全身に症状が出ます。
- 授乳中でも内服できる薬はあるので、医師や薬剤師に確認をして内服しましょう。
- インフルエンザになっても授乳はできます。しかし、赤ちゃんに移さないようにするためにマスクや手洗いをしましょう。
- 水分補給とバランスのよい食事、睡眠は回復する上でとても大事です。
- インフルエンザワクチンを打つことも有効です。
- 加湿をするときには湿度を50~60%になるように調節しましょう。
インフルエンザになると、全身が重く、痛く、しかも気持ちが悪くなりますよね。そんな状態でも授乳をしようと思ったら、とても体力を使います。気分も落ち込んで何もしたくなくなります。
なので、インフルエンザにかかってしまったら、早く治すことを第一に考えましょう。家族などにお手伝いをお願いすることも大事です。
一日でも早くインフルエンザが治り、赤ちゃんとまた楽しい日々を過ごせますように!