子育中に有効な「褒める」「叱る」3つのポイントとは?

「子供の持って生まれた個性と可能性を伸ばす子育てをしたい 」

子供が生まれたその日から常にそうは思っていても、毎日の子育ての中でふと考えてしまう子供への接し方。

人生の中で最も好奇心旺盛な、幼児~小学校に上がるくらいのお子さんには、本当に毎日いろいろな事が起こります。そして、この頃の親のかかわり方が、子供の情緒的な成長に大きな影響を与えることは、言うまでもありません。

子育ての中で特に難しいのが「褒め方」と「叱り方」。

昨今、褒めて伸ばす教育という言葉をよく聞くけれど、どういう風に褒めるの?正しい叱り方ってあるの?

今回は褒めるポイント、叱るポイントをまとめてみました。

 

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褒める前に・叱る前に まず考えたい事

親は何故子供を褒めたり叱ったりするのでしょう?

それはきっと、「人に迷惑をかける行動を止めさせ、社会の中で正しい行動が出来るよう教えるため」であり、それはつまり、子供の将来の幸せな人生を望むからだと思うんです。

そして、褒めるにしても叱るにしても、その前に一つ忘れてはならないのが、子供の自尊心を育てる、自己肯定感を育てるという事なんです。

自己肯定感とは?

自分が出来ること、出来ないことも含めて「自分は必要とされているんだ」「自分は大切な存在なんだ」、と思えるポジティブな感情のことです。

自己肯定感はその後の人生に大きく影響します。

ハルカ(妻)
ちょっと調べてみたら、10代~20代の日本人は海外の国の人達に比べて、自己肯定感が低いんですって↓。なんかショック!

日本の若者は諸外国と比べて,自己を肯定的に捉えている者の割合が低く,自分に誇りを持っている者の割合も低い。

日本の若者のうち,自分自身に満足している者の割合は5割弱自分には長所があると思っている者の割合は7割弱で,いずれも諸外国と比べて日本が最も低い。年齢階級別にみると,特に10代後半から20代前半にかけて,諸外国との差が大きい。(図表2,3)

引用: 内閣府平成26年版 子供・若者白書

自己肯定感を育む

自己肯定感は幼少期の親子関係で大きく左右されると言います。

では、小さいお子さんの自己肯定感を育てるには具体的にどうしたらいいのでしょう?

いくつかのポイントはありますが、自己肯定感を育むのに最も大切なのは、子供を認める声掛けなんです。

  • 例えば・・・

まだ小さなお子さんが、朝「おはよう」と元気な声であいさつしてきたら、

「おはよう、元気にあいさつできたね!」

  • 例えば・・・

お子さんが洋服を一人で着ることができたのなら、

「すごいね、ちゃんと一人で着替えられたね!」

  • 例えば・・・

食事の時にお皿を運んでくれたら、

「ありがとう。ママとっても助かったわ!」

  • 例えば・・・

遊んでいたおもちゃを癇癪を起して投げてしまったら、

「つまらなくなっちゃったんだね。でも投げたら壊れちゃうね。一緒にしまおうか」

日常的に起こるほんの些細な事でいいんですよ。

当たり前のことを見逃さず、他人と比べることなく、子供を肯定して、具体的に、プラスの言葉を掛けてあげて下さい。

 

褒めるポイント

とある統計によると、日本人の親の約6割が「褒める事が苦手」と答えたそうです。

「褒める子育て」が大事なことはわかっているけど、だからといって何でもかんでも「褒め殺し」にするのもどなんだろう?という意見もありますね。では、どんなところにポイントを当てたらよいのでしょうか?

褒める子育ては子供にどんなメリットを与える?

大人でも子供でも褒められることは嬉しいことです。

気持ちもワクワクしてくるし、褒めてくれたママのためにもっと何かしてあげたいというやる気が上がります

何よりも、わが子の嬉しそうな笑顔を見るのは子育ての楽しみの一つですよね。

では、褒めるメリットを考えてみましょう。

褒めるメリット
  • 褒められる=認められていると感じ、自己肯定感が育つ
  • 褒められることによって自分に自信がつく
  • 褒めてくれた親への信頼感が深まる
  • もっとやってみたいという、積極的に物事に取り組む気持ちが芽生える

効果的な褒め方とは

効果的な褒め方のポイント

  1. その場ですぐに褒める
  2. 分かりやすい言葉で短く具体的に
  3. 目を合わせ表情を豊かに心から褒める

とにかく、その場ですぐに褒めてあげてください。

これは心理学的にも非常に重要と言われています。こうすることで、行為と褒められた事が子どもの記憶の中でリンクしやすくなり効果的なのです。

そして、褒めるときはとにかく具体的な言葉で短くが基本です。

長い言葉で褒められても、子供は最後まで聞いていません。きちんと目を合わせて心から褒めてあげてくださいね。

子供はママをちゃんと見ています。目を合わせることによって子供の脳は安心感と満足感で満たされるんですよ。

エクストラポイントとして、

上に書いた言葉がけに加え、スキンシップを足す (抱きしめたり頭をなでたりの) ことによって、さらに効果がアップ↑するそうですよ。

子供を上手に褒めるには、普段から子供の言動を観察し、把握しておくことが大切です。

普段の日常生活の中にはお子さんを褒める要素がたくさんあるはずです。

ぜひお子さんのいいとこ探しをしてあげてください。子供の成長の再確認にも繋がりますしね!

 

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叱るポイント

叱ることにネガティブなイメージを持つ新米ママも多いようですが、成長過程のまだ未熟な子供達はものごとの善悪を学ぶ必要があります。

子育ての中で時と場合によっては叱ることも必要な事だと思うのです。

何故叱るの?

  • 今起こっている問題のある言動に気付かせる
  • 問題のある言動を止める
  • 問題のある言動を正しい方向へ導く

社会に迷惑をかける言動や、他人に危害を与える・命にかかわる危険がある行動といったことに気付かせ、最終的に良い方向に向かわせる、つまりは、善悪を教えるにする行為なのですね。

叱るは褒めるの対極に位置しますが、子供の幸せを願う意味では同じ親心の一つなのです。褒めるのと同様、お子さんが良い方向に向かうように叱りたいものです。

ただ、叱る時のポイントに行く前に、ちょっとこれから示す2つの前提を忘れないでほしいのです。

【前提①】躾(しつけ)=叱るではない

混同されがちですが、躾けること=叱ることではないのです。

叱らなくても出来る躾もあります。要は躾は間違った言動を正しく導いてあげることですから。

例えば・・・

ショッピングセンターでつい走ってしまうA君

ママ「こらーーー!危ないでしょ!走っちゃダメ!!」

と声を荒げて叱る代わりに、

A君の手をとってしっかりと目を見ながら、

ママ「走ったら人にぶつかるよね。危ないよね。ここは走るところじゃないから、あとでママと一緒に公園に行こう」

そして、走らずにママと一緒にお買い物ができたら

「ちゃんとママと一緒にお買い物出来てエライね。」

と褒めることも忘れずに。

叱る代わりに、うまくいく方法を子どもと共に考えたりアドバイスしてあげたりしてくださいね。

【前提②】叱ると怒るは違う

  • 叱る」のは相手に対して間違いを正す指導
  • 怒る」のは自分”自身の感情を爆発させる事

こちらも要注意!です。

感情に任せて子供を怒鳴ったところで、子供の進歩はありません。子供に恐怖を与え、恐怖で行動を征服するだけです。また子供の自己肯定感を下げるやもしれません。

そしてママは深いため息と共に後悔の嵐に・・・

叱る時に気を付けたい事

さていよいよ叱る時のポイントです。

叱る時のポイント

  1. 感情的に怒らない
  2. 短く具体的に
  3. 子供の人格を否定しない

上の”前提②”にも書いたとおり、大前提として、感情的に怒らないことです。

感情的に怒られることによって、子供は自分は嫌われているんじゃないか、愛されていないんじゃないか、と思い込むようになる可能性があります。また、大きな声で怒鳴ると、言葉は子供のとって凶器になります。恐怖を与え、委縮させてしまいます。

また、叱る場合には、褒める場合と同じく、わかりやすい言葉で短く具体的にが基本です。くどくど叱っても、子供は何に対して叱られているのか理解が出来ません。

そして、

  • ダメな子ね
  • 可愛くないわね
  • 何でわからないの (何でできないの)?

といった言葉は、NGワードです。

子供の人格を否定しかねないので、できれば使わないで下さいね。子供の心を深く傷つけ、当然親に対しての不信感が芽生えます。親への不信感は将来人間不信に繋がりかねません。

叱ることは、時にはエネルギーや根気のいるものです。叱るべきポイントを自分の中で明確にしておくとママのストレスも激変しますね。

 

今注目?「褒める」も「叱る」も推奨しない「アドラー心理学」って何??

アドラー心理学って聞いたことありますか?

私は今回初めて知りました (ワタルさんに教えられて)。(笑)

数年前にベストセラーになった「嫌われる勇気」は、アドラー心理学の入門書と言われています。

アドラー心理学は簡単に言うと、「人を勇気づける心理学」だそうです。

アドラー博士とは

アルフレッド・アドラー(Alfred Adler、1870-1937)は、オーストリア出身、晩年はアメリカを中心に活躍した精神科医。フロイト及びユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した心理学の三大巨頭の1人である。

アドラー心理学はアドラー博士が築き上げた「人生を幸福に生きる方法」である。

そのアドラー心理学を子育てに応用した育児が近年注目されています。

ワタル
アドラー心理学では「褒めること」「叱ること」どちらも推奨していないんだって。
ハルカ(妻)
えっ?どういう事?
ワタル

「叱る」「褒める」はどちらも親の判断基準からくるものだからだよ。

褒めすぎると、子供は親から褒められるために行動するようになる (=行動の基準が、褒められることになってしまう) し、叱り方によっては子供の自己肯定感を低くしてしまう可能性があるからね。

何れにしても、自分で考えて行動する、ではなく、他人の評価を気にして行動する生き方に繋がりかねないってことなんだね。

アドラー心理学からすると、「褒める」も「叱る」も上の立場から優位に立ってコントロールしようとする意図があって、結果的に対等でない人間関係を生み出す。

そうではなくて、出来る事、出来ない事を含め、ありのままの子供の存在を受容し、お互い尊敬し、信頼して子供に勇気付けを与える事によって、子供が他人の評価にとらわれず、自由に自分の考えで問題を解決できるよう導くことが大事なんだ。

ここで言う勇気付けとは、褒めたり叱ったりで子供をコントロールするのではなく、子供の立場に立ち、子供が出来ることも出来ないことも全てを含めて受容し、自らの考え課題を克服できるように支援することなんだ。

ハルカ(妻)
でも「叱らない子育て」はよく聞くけれど、褒めることもしないの?

褒められるってとても嬉しいことじゃない?

褒めるんじゃないのならどう接するの?

ワタル
ありがとう」って、感謝の気持ちを伝えるんだよ。

ママから「ありがとう」って言われたら、子供は「あ、ママが喜ぶことができたんだ」という人の役に立つ喜びを覚え、自ら考え、自らやる気を感じて行動する勇気が育まれるんだよ。そしてそれは、子供にとっての自信へと繋がるしね。

ハルカ(妻)
なるほどね。「ありがとう」はいくつになっても大切な言葉よね。

パパ、いつもありがとう♡♡

 

まとめ

  • 子供を褒める時のポイントは、
    1. その場ですぐに褒める
    2. 分かりやすい言葉で短く具体的に
    3. 目を合わせ表情を豊かに心から褒める
  • 叱る時のポイントは、
    1. 感情的に怒らない
    2. 短く具体的に
    3. 子供の人格を否定しない
  • 「褒めない」「叱らない」アドラー心理学的子育てが、近年注目されている

 

子供は千差万別です。褒め方や叱り方に、どの子供にも当てはまるマニュアルや正解はありません

一般的な褒めるポイント、叱るポイントはありますが、それらをうまく応用し、何よりも大切なのは子供の個性を認め、伸び伸びと成長出来る環境作りをしてあげることではないでしょうか?

そして、親も人ですから、時にはうまく褒められなかった、叱ることが出来なかったと悩むこともあると思います。

そんな時はお子さんがベッドに入る前にぎゅっとハグして「大好きだよ。おやすみ。」と声をかけてあげて下さい。

大好きは魔法の言葉。親子の信頼関係を深め、幸せな気分で一日を終えることが出来ると思いますよ。

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