授乳中のママはいつでも赤ちゃん優先の生活です。ついつい自分のことはおろそかになってしまいがちですよね。ふと気づくと肌荒れが…なんてこと、あると思います。
おまけに産後はママの体内でもお肌に影響を与える大きな変化があるので、「しばらくなかったニキビができて、なかなか治らない!」と悩むママも少なくありません。
そこで今回は産後・授乳中のニキビ対策について、おさえたいポイントをご紹介します。
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どうしてできる?ニキビのメカニズム
私たちが普段「ニキビ」や「吹き出物」と呼んでいるもの、正式には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」というれっきとした皮膚の病気です。
にきびは、皮脂(皮膚のあぶら)の分泌が多いことと毛穴の先が詰まることで、毛穴の中に皮脂がたまることで始まります。この状態が面皰(めんぽう)です。面皰の中は、皮脂が豊富で酸素が少なくアクネ菌(Propionibacterium acnes)が増えやすい環境にあります。アクネ菌はどんな毛穴にもいる常在菌ですが、数が増えると炎症を起こして赤いぶつぶつしたにきびや膿がたまったにきびを引き起こします。
産後のニキビ!考えられる原因は?
- 睡眠不足
- ストレス
- 化粧品
- 偏った食生活
- ホルモンバランスの乱れ
出産後は、赤ちゃんの夜泣きで寝不足になったり、慣れない育児でストレスがたまったり、どうしてもニキビになりやすい状態です。
また、外出時には欠かせないメイクも毛穴詰まりの原因になる場合がありますし、偏った食生活を送っていると肌にとって大切なビタミン類やタンパク質といった栄養素が不足しがちになり、さまざまな肌トラブルを引き起こしてしまいます。
さらに出産前と大きく異なっているのは体内のホルモンバランス。
妊娠すると、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)というホルモンがたくさん分泌されるのですが、産後はこの二つが急激に減ってしまいます。このホルモンバランスの乱れが、ニキビなどの肌荒れを引き起こします。
卵胞ホルモン(エストロゲン)
月経後、排卵に向かって分泌・増加し、次の月経の直前に急激に減少するホルモン。皮ふとの関係では、肌の弾力に関わる細胞に働きかけ、ヒアルロン酸やコラーゲンの生成を促進させます。この結果、肌にうるおいやはりを与えると考えられています。
黄体ホルモン(プロゲステロン)
排卵後、黄体が形成されてから、次の月経の直前まで分泌されるホルモン。子宮内膜を妊娠前の状態に整えます。皮ふとの関係では、皮脂の分泌を活発にすることが知られています。
引用:資生堂ビノラボ
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忙しいママに!簡単ニキビ対策、おさえておきたいポイント5つ
①良質な睡眠
お肌のために睡眠は大切です。そうわかっていても、授乳中は赤ちゃんの夜泣きもあって、まとまった睡眠時間はあまりとれませんよね。そこで睡眠「時間」ではなく睡眠の「質」にフォーカスして、改善していきましょう。
具体的には、就寝前にお風呂でしっかり体をあたためる、運動で適度な疲労感を得る、自分に合った寝具を選ぶなどが簡単にできる改善方法です。
②ストレスケア
「かわいい赤ちゃんを見ていると、育児の疲れも吹っ飛ぶ!」というママは多いと思います。しかし自分では意識していなくても、体がストレスを感じていることって、少なくありません。例え良い変化であっても、環境が変わると人はストレスを感じてしまうものです。
ストレスの解消・予防には、やはり運動がおすすめです。内容、筋トレなどの無酸素運動ではなく、ウォーキングなどの有酸素運動が良いでしょう。時間は20~30分続けると効果的と言われています。
またこちらの記事でも、育児に疲れたときのおすすめケアについてご紹介しています。ぜひ読んでみてください。
③ニキビになりにくい化粧品を選ぶ
ニキビになるとすべてのメイクがNG、というわけではありません。大事なのは、適切なものを選ぶことと、きちんとメイクを落とすことです。ポイントを押えて、メイクも楽しみながらニキビケアしていきましょう。
にきび肌のベースメイクの選び方のポイント
化粧下地やファンデーションなどのベースメイク・メイクアップは「ノンコメドジェニックテスト済み」と表示されていることを確認しましょう。
油分はにきびにとってよくないと思われがちです。ノンコメドジェニックテスト済みの商品であればあまり神経質になる必要はありませんが、皮脂が気になる場合には「オイルフリー」と記載された化粧品を選ぶのもよいでしょう。
④乾燥を防ぐ
「皮脂の過剰分泌が原因なら、こまめに洗浄すれば良いのでは?」と思う方もいると思いますが、実は洗いすぎが乾燥の原因となって、余計に皮脂の分泌を促してしまうことが多くあります。保湿ケアをしっかり行うことが大切です。
保湿ケアといっても、時間とお金をかけていろんなものを塗布する必要はありません。最近は基礎化粧品の使い方や効果についても議論が活発になっていて、「スキンケアは化粧水もつけず、保湿クリームを塗るだけで充分」という説もあります。
どんなスキンケアが合うのかは人によって異なりますが、まずはシンプルで簡単なケアから始めて、肌の調子を見てみるのが良いでしょう。
⑤食生活の見直し
肌の健康を保つビタミン類や、肌細胞を作るタンパク質を積極的に取り入れると良いでしょう。一方で脂質や糖質の多い食事は、皮脂の過剰分泌につながるので注意が必要です。
また腸とお肌は関わりが深いので、食物繊維や発酵食品を積極的に摂取して、腸内環境を整えることも大切。自分の食生活を見直して、できるところから少しずつ改善してみましょう。
産後の食事については、こちらの記事でもご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
だからといって、一気にあれもこれもやろうとすると、かえってストレスになるし挫折しがちだから、無理のない範囲でトライしてみてね。
重症化したニキビは病院へ
ここまで簡単なニキビの対処法についてご紹介しましたが、セルフケアでは限界があります。重症化したニキビがなかなか治らないときは、皮膚科を受診すると良いでしょう。
薬の処方を受けるときには、たとえ塗り薬であっても、授乳中であることを忘れずに伝えましょう。また薬を塗布した後は手は洗い、薬がついたニキビの部位を赤ちゃんが舐めないように注意することも大切です。
まとめ
- ニキビの始まりは過剰な皮脂分泌と毛穴の詰まり。
- ニキビができる主な原因は以下の5つ。
- 睡眠不足
- ストレス
- 化粧品
- 偏った食生活
- ホルモンバランスの乱れ
- 産後はホルモンバランスが急激に変化して、肌トラブルになりやすい。
- 手軽にできるニキビ対策から始める。ポイントは以下の5つ。
- 良質な睡眠
- ストレスケア
- ニキビになりにくい化粧品を選ぶ
- 乾燥を防ぐ
- 食生活の見直し
- ニキビが重症化したときは皮膚科へ。授乳中であることを忘れずに伝える。
ニキビができると、鏡を見るのも嫌になってしまいますよね。さまざまな原因で発生するニキビですが、「全部改善しなきゃ…」と思い詰めないことが重要です。
まずは楽しく簡単にできそうなものから挑戦してみましょう。読んでいただきありがとうございました。