産後はまだまだ体調も不安定で、なんだか調子が上がりませんよね。さらに暑さが加わったら、よけいに体への負担が大きくなります。
授乳中は体調管理をちゃんとしているつもりでも、日によって波があり管理がしづらいですよね。そうなると、授乳中の体は脱水状態になりやすく、熱中症になる可能性も高くなります。
そこで今回は、授乳中の熱中症についてをご紹介します。
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授乳中は熱中症になりやすい?
元々、熱中症になりやすいのは女性と言われています。女性は男性よりも、筋肉量が少ないためです。筋肉は水分を貯める役割があり、筋肉量が多いほど、たくさんの水分を貯めることができるのです。
男性よりも筋肉量が少ない女性は、脱水状態におち入りやすく、熱中症になる確率が上がります。熱中症になりやすい女性が授乳中の場合は、さらに熱中症になりやすくなります。
授乳中は約80%が水分でできている母乳を与えているので、体は常に脱水状態です。それに夜間の授乳などが加わり、まとまった睡眠が取れず睡眠不足になっています。
脳や体を休ませる睡眠が不足していると、脳の働きが鈍くなるので、体温のコントロールがうまくできずに熱がこもります。そのため、授乳中は熱中症になりやすい体になっているのです。
熱中症とは?
熱中症は「気温の高い環境で生じる健康障害」を総じた呼び方です。熱中症になると、体内の水分や塩分などのバランスが崩れて、体温の調節機能がうまく働かなくなります。
熱中症の症状は?
熱中症になると、以下のような症状が現れます。
特に、呼びかけた際に反応が鈍く意識障害がみられる場合は、重症なので医療機関での処置が必要となります。
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熱中症 対処法のポイント3つ
熱中症になった時に、対処法を知っておけば役立ちます。
ポイント①体を冷やして安静にする
室内で熱中症になった場合は、クーラーや扇風機を活用して、適度な気温と湿度を保った部屋で安静にしましょう。もし外出中に体調の異変を感じたら、風通しのよい日陰や、クーラーが効いている室内へ移動してください。
締め付けがあるものを身につけている場合はゆるめ、風通しを良くして体から熱を逃がしてください。皮ふに水をかけてから、うちわや扇風機で風を送り体を冷やすと、体温を早く下げられます。
また、氷などで冷やす時は、以下の場所を冷やすと体温が下がりやすくなります。
- 首の付け根の両脇
- 脇の下
- 太ももの付け根の前面
- 股関節部
皮ふ表面に近い血液を冷やすと効果的です。
ポイント②水分、塩分の補給をする
一度に大量の水だけを摂取すると、逆に体内の電解質バランスを崩して体調不良になる場合があります。水分補給をする時は、一緒に塩分の補給もしてください。
経口補水液は、水分と塩分を一緒に補給できるので、熱中症になった時の水分補給に適しています。お家に常備しておくと安心です。
経口補水液がない場合は、水や麦茶に塩や梅干しなどを足して、塩分を補給してから飲むようにしましょう。緑茶やウーロン茶にはカフェインが多く含まれているので、利尿作用があり熱中症の水分補給には不向きです。
ポイント③救急車を呼ぶ
自分ではどうしようもできない場合は、すぐに救急車を呼んでください。水分の摂取ができない時は、塩分を含め点滴で補う必要があるので、緊急で医療機関に行くことが最優先です。
家に赤ちゃんと2人でどうしようと迷ってしまうかもしれませんが、重症化すると命に関わる状態になる危険もあります。救急車の利用は必要であれば、ためらわずに活用してください。
ただ、「救急車までは…」というような思いから、自分で判断するのが難しければ「救急安心センター」(相談窓口)で相談してみましょう。
※ 詳しいことは各自治体のホームページでも確認できます。
救急安心センター事業は消防庁が行なっている事業で、適正に救急車を利用してもらうために行なっています。24時間365日体制で、看護師さんや相談員さんが、相談に乗ってくれます。
熱中症にならないために!
授乳中は熱中症になりやすくなっています。なので、熱中症にならないような生活を心がけましょう。
水分をこまめに補給する
体調や季節によっても違いますが、汗や尿、便、呼吸によって成人の場合だと1日約2〜2.5Lの水分が体の外に出ていきます。そのため、1日2Lを目安に水分補給するのが望ましいです。
そして、母乳を赤ちゃんに飲ませている授乳中のママは、プラスして赤ちゃんが飲む母乳分の水分も必要となります。赤ちゃんは、生後4ヵ月頃になると1日1L程度の母乳を飲みます。
1日に3Lの水分補給が目安ですが、全て飲みものから摂取する必要はありません。食べものから摂ることもできるので、水分自体は1L〜2L程度を意識して飲んでください。
塩分が入った飲みものがいいのか迷うところですが、塩分摂取は食べものからもできるので、日常生活を送るだけなら水や麦茶で十分です。
部屋を涼しくする
目で見て判断できるように、室内には温度計と湿度計を置いておきましょう。快適な室温は26℃〜28℃、湿度は55%〜65%が目安となります。
授乳中のママの体も大事ですが、体力がない赤ちゃんも熱中症になりやすいので、様子はしっかり見てあげてください。
休息を取る
授乳での睡眠不足や慣れない育児で疲れが溜まっていると、熱中症になりやすくなります。赤ちゃんと一緒にお昼寝するなど、こまめに休息を取るようにしましょう。
ただ、赤ちゃんがお昼寝をすると、ついつい家事をやりたくなるママもいると思います。そんなママには、家事代行サービスの利用がおすすめです。
こちらは、一例として足立区の「産前・産後家事支援事業」です。
利用できる方
区内在住で、出産予定日の6週間前から退院後(産後)1か月までの妊産婦がいる家庭。
サービス内容
ご自宅にホームヘルパーを派遣して、食事の準備及び後片付け、衣類等の洗濯、居室の清掃及び整理整とん、生活必需品の買い物等の家事を補助します。
利用料金
基本時間(平日午前8時から午後6時):1時間500円
基本時間外(平日午後6時から午後8時、休日):1時間800円
引用:足立区HP
各自治体で支援サービスを行っているので、ご自分の住んでいる地域のHPを確認してください。
栄養を摂る
毎日きちんと食事を摂ることも、熱中症予防になります。授乳中なので栄養も気にしないといけませんが、暑さであまり食欲のない時は、食べやすいものを食べるようにしてください。
こちらに授乳中でも食べやすいお茶漬けレシピが載っているので、参考に読んでみてください。
体を温める
熱を体に溜め込まず体温調節を上手に行うためには、汗をかくことも大切です。授乳中でなければ適度な運動がおすすめですが、産後に無理をすると更年期症状が重くなると言われています。
なので、お風呂に入る時は湯船に浸かったり温かい食べものを食べて代謝を良くしましょう。こちらの入浴剤は温浴効果を高めて発汗を促進し、代謝を上げてくれます。
体を温めると血流も良くなるので、血液でできている母乳の出も良くなります。
まとめ
- 授乳中は脱水や疲れから熱中症になりやすい
- 熱中症は適切な対処を行えば軽症ですむ
- 熱中症の対処法ポイント3つ
- 体を冷やして安静にする
- 水分、塩分の補給をする
- 救急車を呼ぶ
- 熱中症にならないように普段から対策を行う
授乳中は様々な要因から熱中症になりやすくなっています。なりやすいとわかっていれば対策のしようがありますし、対処の仕方を知っていれば、万が一熱中症になった時も軽症ですませられますね。
授乳中に熱中症になったらママも辛いですし、赤ちゃんの世話もできなくなるので生活が一変してしまいます。だから、無理はしない程度に対策をして授乳中にも熱中症にならない体づくりをしていきましょう。
この前、ママ友5人でランチに行ったら、熱中症になったっていうママが3人もいたんですよ。授乳中に熱中症になるママの話をよく聞くんですけど、なぜでしょうか?