おたふく風邪をご存知ですか?
「子供の時になった」という方も多いと思いますが、大人になっても発症することがあります。
かかっても軽い症状で済む場合がほとんどですが、ムンプス難聴など後遺症が現れる可能性があります。
今回はおたふく風邪の症状や予防方法を紹介します。
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おたふく風邪とは?
おたふく風邪は正式には流行性耳下腺炎と呼ばれムンプスウィルスによって引き起こされるウィルス性の疾患です。
通常は2〜3週間の潜伏期を置いて発症し、1〜2週間で軽快に向かうといわれています。
おたふく風邪の症状
- 耳の下が腫れる(耳下腺の腫脹 (しゅちょう))
- のどの痛み
- 発熱 など
また、耳の下から顎にかけての腫れは、話しづらかったり、食べるときに痛みを伴うことが多くあります。
固いものや酸っぱいもの、塩辛いものを食べるのは控えたほうがよさそうですね。
おたふく風邪の感染経路は?
おたふく風邪の原因のムンプスウィルスは、「飛沫感染」「接触感染」によって感染します。
また、症状が現れない「不顕性感染 (ふけんせいかんせん)」も約30〜35パーセントほど見られ、発症者を隔離するだけでは流行を止められず、集団生活の中で感染が広がりやすいです。
不顕性感染とは
細菌やウイルスなど病原体の感染を受けたにもかかわらず、感染症状を発症していない状態をいう。一般に感染しても必ず発症するとはいえず,大部分がこの不顕性感染となる。感染症状は抗体陽性や遅延型過敏反応などで確認される。不顕性感染の人はしばしば保菌者(キャリア)となり,病原体を排泄し感染源となる可能性が高いので疫学上問題となる。
引用 : 一般社団法人 日本救急医学会
油断すると難聴になる可能性も
おたふく風邪の症状は比較的軽度のものが多いですが、油断すると合併症として難聴 (ムンプス難聴) になる可能性もあります。
日本で1年間に数百人がムンプス難聴になっているといわれ、一度、難聴になると改善されにくいので注意が必要です。
実際におたふく風邪によって、難聴になってしまったお子さんをもつご家庭の動画をご紹介します。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=xqCAqO3gEVE]
- 無菌性髄膜炎
- ムンプス難聴
- 脳炎
- 膵炎
- 精巣炎、卵巣炎
脳炎や膵炎の発症は稀ですが、症状は軽いながらも無菌性髄膜炎などは10パーセントほど発症する可能性があります。
ムンプス難聴も無菌性髄膜炎についで発症しやすいとされています。
おたふく風邪以外にも小さなお子さまが難聴になる病気があります。下記の記事で詳しく解説しているのでぜひ読んでみてください。
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もしも感染してしまったら?
おたふく風邪の原因ウイルスであるムンプスウイルスには根本的な治療法はありません。
なので治療は対症療法になります。
おたふく風邪にかかった疑いがある場合はすぐに病院へ行き、医師の指示を仰ぎましょう。
- 安静にする
- 腫れている部分を冷やす
- 噛まずに食べられる柔らかい食事にする
- お風呂は体力を消耗しないようにシャワーだけにしておく
おたふく風邪は「学校保健安全法」によって第2種の感染症に定められていますので、「耳の下などの腫れが発生してから5日、また健康状態が良くなるまでは出席停止」となります。
気づかずに学校などに行くと感染を広めることになるので注意しましょう。
おたふく風邪の予防方法
ワクチン接種が唯一の予防法
おたふく風邪の予防法はワクチン接種になります。
1歳から受けられます。1回の接種で80パーセント、2回の接種で90パーセントの感染が防げるといわれています。
現在の日本ではおたふく風邪のワクチン接種は任意となっていますが、幼稚園や小学校に入り、集団生活をする前にワクチン接種を受けておきましょう。
ワクチン接種の副作用
ワクチン接種後に副作用として軽いおたふく風邪の症状が出る場合が数パーセントあります。
また、無菌性髄膜炎(約1000〜2000人に一人)などになる可能性もありますが、自然感染した場合と比べて発症する可能性ははるかに低くなります。
まとめ
- おたふく風邪は軽度のものが多いが油断すると難聴などになる可能性がある。
- 感染してしまった場合は治療法はなく、対症療法が基本となる。
- ワクチン接種が唯一の予防法。子どもが幼稚園や学校に入る前に予防接種を受けましょう。
おたふく風邪は症状が軽いと考えられがちですが、現在わかっている以上に、合併症で難聴になった方がいるだろうといわれています。
幼少期には症状をうまく訴えられないため、難聴になっても気づかれないことがあるからだろうと思います。
ただ、予防接種によって大きく感染を防げるので、集団生活に入る前に受けるようにしましょう。
もしも、おたふく風邪にかかった場合は、治った後に耳鼻科などに行き、耳の聞こえの検査を受けるのもいいかもしれません。