引越しとなるとまず考えるのは費用、そして忘れてはならない手続き。引越しのたびにどんな手続きがあったっけ?と調べたり、計画を立てたり・・・大変ですよね。シングルマザーになると、特有の手続きがあったりとさらに複雑になりそうです。
引越し後からかかってくる費用のことを考えると、シングルマザーが受けられる手当などは、残らずもらっておきたいものですよね。また、引越し先を見つけるのもスムーズにいかない場合が多く、困っているママは多いです。
今回は、シングルマザーの引越しの手続きにはどんなものがあるのか、費用をおさえる方法などをご紹介します。参考にしていただけたら嬉しいです。
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シングルマザー 特有の引越し手続き
児童扶養手当の手続き
児童扶養手当とは、ひとり親で両親のどちらかと生計を共にしない子どもがいる家庭に支給される手当のことです。
引越し手続き
- 違う市町村:転出届と転入届
- 同じ市町村:住所変更
- 必要な書類:戸籍謄本、年金手帳、所得証明書など(転入先の自治体で確認が必要です)
・支給は申請の翌月からになるため、早めに申請するといい
・所得制限があり、同居人の所得も支給額に影響する
では、実際の支給額はどのくらいでしょう。こちらは子供の人数による月々の支給額 一覧(平成31年4月〜)です。
全支給になるか一部支給になるかは、下の表(単位:万円)のように所得額によって決まります。例えば、ママが子ども2人と3人暮らしの場合、ママの所得が125万円未満であれば、全部支給となります。
引用:札幌子育て情報サイト
こちらは、手当が支払われるスケジュールを表したものです。2020年から支払いの回数が変わり、年6回と変わります。
引用:厚生労働省HP
ひとり親家庭等医療助成制度の手続き
ひとり親家庭等医療助成制度とは、ひとり親家庭の医療費の一部を助成するものです。病院にかかる時は、福祉医療証と保険証を窓口に出すと、一部負担金がかからず診療を受けることが出来ます。
引越し手続き
- 違う市町村:医療証の返納、県外で医療費を支払っている場合の請求。転入先で「医療証交付申請書」の提出
- 同じ市町村:住所変更
- 必要な書類:保険証、ひとり親家庭であることを証明できる書類(戸籍謄本や児童扶養手当など)、所得証明書など(転入先の自治体で確認が必要)
・所得制限があり、同居人がいる場合はその所得も支給額に影響する
就学援助の手続き
就学援助他とは、小・中学生の子どもがいる世帯で、収入が一定額以下で経済的に困っている家庭に就学に必要な費用を援助するものです。
補助の対象となるもの
学用品費/体育実技用具費/新入学児童生徒学用品費等/通学用品費/通学費/修学旅行費/校外活動費/医療費/学校給食費/クラブ活動費/生徒会費/PTA会費
引用:文部科学省HP
引越し手続き
- 転入先の学校へ申請書の提出
- 必要な書類:申請する家庭によっても違うので、各自治体に確認が必要
学校へ入学するための費用は結構かかるものです。例えば小学校の場合、公立で年間10万円ほどかかりますから、就学援助は子どもを学校に通わせたいと思うママの助けになります。
中学校入学前 1,388/1,766市町村(78.6%)(文部科学省HP 参考)
福祉乗車券の手続き
福祉乗車券とは、児童扶養手当受給世帯に対して、公共交通機関を使用するための費用を負担するものです。利用できるのは、1世帯で1人に限っている自治体が多いので確認が必要です。
引越し手続き
- 転入先の役所での発行手続き
- 必要な書類:各自治体によって違うので確認が必要
上下水道基本料金減免手続き
児童扶養手当を受給している家庭に対し、水道・下水道料金を減免する制度です。減免の内容は各自治体によって違うため、確認が必要です。
引越し手続き
- 申請所に記入の上、各自治体や管轄の水道営業所など、指定された所へ提出
- 必要な書類:各自治体によって違うので確認が必要
シングルマザー特有のもの以外の手続きはこちらを参考にしてみて下さい。
引越し作業は本当に大変ですよね。ママや子どもの体調がおかしいと感じたらそれはストレスによるものかも・・・気になったらこちらの記事を参考にしてみて下さいね。
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おさえておきたいポイント
1. 引越しにかかる費用の目安
引越しの費用はなるべく押さえたいもの。シングルマザーで二人暮らしの場合、引越し費用はどのくらいかかると思いますか? 引越しシーズンであれば8 ~ 10万円ほど、シーズンでなくても6 ~ 8万円くらいはかかります。
長距離の引越しになると、プラス2 〜 3万円くらいはみておいたほうがいいでしょう。
2. 引越し費用を軽減する制度を利用する
母子父子寡婦(かふ:独身の女性)福祉資金貸付金制度
そこで利用したいのが「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」です。これは、20才未満の子どもを養育しているひとり親へ各都道府県が資金を貸してくれるというものです。
その中で引越し費用を貸してもらえるのが「転宅費用」であり、上限が26万円まで借りることができます。返済期限は3年以内で保証人がいれば無利子で貸してもらえます。
- 申請する場所:転居先の役所
- 必要な書類:戸籍謄本、住民票、貸付申請書、収入がわかるもの、印鑑登録証明書、引越しの見積もりなど(転居先の役所で確認が必要です)
-
ひとり親家庭等家賃助成・住宅手当
引越し後から払い続ける家賃の一部を助成するものです。自治体によっては実施していない所もありますし、助成内容なども違うので確認が必要です。
対象者
- 月額家賃1万5千円〜8万円以下に住んでいる
- 鎌倉市に1年以上住んでいる
- 所得制限(月額15万8千円)以内である など
助成内容
- 月額家賃から1万5千円を控除した額(ただし、9千円を限度とする)
物件選びのコツ
平成28年度のシングルマザー世帯の平均年収は、234万円です(厚生労働省HPより)。一般的に、家賃は月収の1/3ぐらいがいいと言われていますから、単純計算で家賃に当てられる分は約6万5千円となります。
シングルマザーが入居しやすい物件を探す 〜UR賃貸住宅の利用
「URであ〜る」のあのCMでお馴染みのUR賃貸住宅とは、UR都市機構が管理運営する賃貸住宅です。URで定められた入居条件さえ満たすことができれば、引越しの初期費用(礼金・仲介手数料・更新料)を抑えることができます。
18歳以下の子供がいる家庭で、所得要件を満たしていれば最大6年間は家賃を20%サポートしてもらえるなど、他にも色々な割引制度があります。
・書類:住民票の写し、収入証明書など
シングルマザー向けシェアハウス
子どもが一人きりにならないということが、働きに出ているママにとって一番安心できる点です。「ただいま」と帰ってきた時に家に誰かがいるという安心感は、子供にとっても嬉しいですよね。
また、新しい生活を始めようとすると、家具・家電を揃えたり、引越しのたびに持っていかなければならないなど、大変なことが多いです。シェアハウスであれば、キッチンなど共通で使えるものがすでに用意されている所も多いので、急な引越しでも助かりますね。
・MANA HOUSE上用賀
管理人が常駐しています。家賃は高めですが、平日は母子の夕食付きで21時まで子どもをみてくれるのが嬉しいですね。
・HIPPO HOUSE
オートロックで防犯カメラ付き。病児保育施設が併設されているので急な病気でも安心できます。
シングルマザー向けシェアハウスの中には、子どもが小学生までと決まっているところもあります。子育てが本当に大変な時期に、安心できる環境で収入を増やし自立していけるようにということなのでしょう。
シェアハウスはママが楽をできるところではなく、子どもがママとの時間を作れて幸せになる場所だということです。
まとめ
- シングルマザー特有の引越し手続き
- 児童扶養手当
- ひとり親家庭等医療助成制度
- 就学援助
- 福祉乗車券
- 上下水道基本料金減免
- おさえておきたいポイント
- 引越し初期費用の目安
- シングルマザーの引越し費用を軽減する制度を利用する
- 物件選びのコツ
- UR賃貸物件を選ぶ
- シングルマザー向けシェアハウス
いかがでしたか? 聞き慣れない名前の手続きがたくさんありましたね。少し面倒くさいなと思ったママもいると思いますが、シングルマザーでも生活や子どもにかかる費用は変わりませんよね。さらに引越しとなるとその費用もかかります。
是非、シングルマザー特有の制度を利用して、かかる費用をおさえましょう。引越し先の自治体独自の助成制度などもありますから、問い合わせをしてみて下さい。きっと力になってくれるはずです。