引越しをして新しい生活を始める時、これからの生活になんとなく不安を抱いた事はありませんか?悲しい感情が抑えられずに、気持ちがふさぎ込んでしまった経験がある人も少なくないのではないでしょうか。
今まで大切にしてきた人や住み慣れた場所を離れて生活をするのは、意外と大変なものです。
引越しによる悲しい感情や憂鬱な気持ちは、もしかしたら引越しうつかもしれません。
子育て中の人は陥りやすいのか、もし陥ってしまったらどのように乗り越えたら良いのでしょうか。この記事では、引越しうつの症状や対処法についてまとめてみました。良ければ参考にしてみて下さいね。
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引越しうつとは
症状
引越しうつを含めうつ病は、検査などでは判定できないため症状で判断します。
引越し直後に不眠や体調の変化、イライラ感、気分の落ち込みや意欲の低下が生じると、引越しうつの可能性があります。
- 仕事や家事が手につかない
- 掃除が行き届かない
- 地域の人と交流しなくなる
- 外出する事が嫌になる
- 急に涙が出たり涙もろくなる
- 休んでも強い疲労感が続く
- 朝が起きられなくなる
- 食欲が減退する
精神面や体調面でこのような症状が現れたら危険サインと言えます。自分じゃなくとも、家族や親しい人に見られたらサポートが必要になります。
そして引越しうつは、具体的に説明出来る症状が少ないため気づきにくく、自覚も無い場合が多いようです。
上記の症状が5つ以上、ほとんど一日中か2週間以上続き、家庭や仕事などに何らかの問題が生じている場合にうつ病と診断します。
陥りやすい原因
状況
- 荷物が多くて荷造りや片付けが大変
- 慣れない引越し作業で疲れがたまっている
- 慣れ親しんだ部屋を離れる
- 今まで大切にしてきた人との別れ
- 環境の変化に気持ちが追い付いていない
- 新しい場所での生活に不安を感じる
- 結婚、就職、栄転で責任が増える立場になった
- 生活リズムが整わないうちに学校や仕事に就く
気持ちの面では問題がなくても、引越しの荷造りや片付けが大きな原因となる場合があります。
周囲との新たな人間関係の構築や子どもの学校関係、生活習慣や言葉の違いなども引越しうつの原因となるので注意が必要です。
性格
引越しうつには、陥りやすい性格というものがあるのをご存じですか?
引越しうつに限らず、うつ病に陥りやすい人には、いくつかの特徴があります。
- 真面目で何においても徹底的にしなくては気がすまない性格の人
- 几帳面で何事にも完璧主義な人
- 責任感が強く対人関係に配慮するような人
- 頑張り屋で自分の中に閉じこもる人
- 人からの評価が高く道徳観も強い人
- ずっと家にいる専業主婦のような立場の人
あなたはいくつ当てはまりますか?当てはまるものがある人は、日常生活でストレスを溜めやすい人と言えます。
環境の変化でも特に強いストレスを感じやすいので注意が必要ですよ。
そして、引越しうつを最も警戒するべきなのは、子育て世代、特に子育て中の女性です。
働いている人は職場に行く事で気分転換が図れますが、妊婦さんや子育中の女性はどうしても家の中やその周辺環境で過ごす事が多くなります。
また、男性と違い地域の人との関わりが多い為、新しい土地で1から人間関係を築くことに不安を抱いています。
子供の学校関係や友人関係の広がりも増えてくると、さらに心配事や不安要素が増えるのではないでしょうか。
子育て中の引越しについて気を付けたい事などはこちらも参考に。
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対処法
治療
うつ病の治療には、休養、精神療法、薬物療法などがあります。
基本の治療は、充分な休養をとる事です。うつ病から回復する為に非常に重要な事なので、周りのサポートが大切ですね。
精神療法では、患者さんが自分の心に向き合いながら解決方法を探せるように、医師やカウンセラーなどが対話を重ね治療していきます。
薬物療法が望ましいと判断された場合は、抗うつ薬の中から患者さんの症状に合ったものが処方されます。最初は副作用を抑えるために少量から服用するようにします。
抗うつ薬は同じ量でも人によって効き方が異なる場合がある為、体格や体質を考慮しながら徐々に適切な服用量へと調整していきます。
うつ病かどうかの判断や、重症度の判定は決して自分で行わず、心配な場合は医療機関を受診するようにしましょう。カウンセリングを受け、向精神薬などの処方を受けて下さいね。
うつ症状が現われたら充分に休養をとり、少しずつ新しい環境に慣れる事を心掛けると良いですよ。
気持ちのサポート
うつ病で最も重要なのは、気持ちのサポートです。身近な人をサポートする場合は、今どんな気持ちで何が辛いのか、聞き出せる事から少しずつ聞いていきましょう。
親しい方にしか出来ないサポートの形で支えてあげて下さいね。無理をしなくても良い、と伝えてあげる事も重要ですよ。
気をつけたいポイント
まずは、頑張りすぎて疲れている自分に気づいてあげる事が大切です。
自分ではどうしようもなければきちんと病院に行く勇気も必要ですが、不安を感じたら以下のポイントを心がけてみて下さいね。
時間とお金にゆとりを持つ
荷造りや引越し作業、引越し後の作業など、時間にゆとりをもって行いましょう。そうする事で気持ちにもゆとりが持てる為、バタバタとしがちな引越しも気持ちよくスムーズに出来ますよ。
金銭的な問題は、引越しに伴う不安の中で大きい要素の1つでもありますので、蓄えておく事が大切です。
また、前もって計画を練り売れる物は売っておいたり、あらかじめ引越し先に荷物を送ったりしておくのも一つの案ですね。
どんなに事前に計画を立てていても、移動の費用は運ぶ荷物が多い場合は特に、高額になりがちです。引越しに伴うその他の費用もあるので注意しておきましょう。
新しい知り合いを作る
引越しをしたら、新しい場所で知り合いを作る事も、引越しうつの対処法になります。
新しい場所で生活を始めるのは、誰でも不安に感じるものです。出来るだけたくさんの知り合いを作っておくと、困った時でも相談が出来るので安心ですよ。
とにかく出掛けてみる
色々な場所に出掛けてみると、引越しをした場所が実際はどんな所なのかが見えてきますよ。
ポジティブな発見がきっとあるはずです。実際に街を歩いてみなければ気付けないような、引越し先の魅力やお気に入りの場所を探してみましょう。
うつを遠ざける食事
食事とうつ病の間には、深い関係がある事が最近分かってきています。
うつ病に関わりのある栄養素には、ビタミン(B12や葉酸など)、ミネラル(亜鉛、鉄など)、アミノ酸(トリプトファンなど)などがあります。
このアミノ酸から作られているセロトニンが不足すると、気分が落ち込みがちになる為うつ病を招くと考えられています。そしてうつ病になりやすい人は、セロトニンが出にくい体質を持っているとも言われています。
日頃の食生活や栄養素の摂取を見直し、セロトニンを増やすといわれている食べ物を積極的に摂るようにしたいですね。
セロトニンの材料となるアミノ酸は、肉や魚、大豆製品、乳製品などに含まれるタンパク質から摂取する事が出来ます。
塩分が少なめの和食と乳製品の摂取を心掛けるのが理想的ですよ。特にお勧めなのは、アミノ酸が100g中10㎎含まれるバナナと、100g中40㎎含まれる牛乳の組み合わせです。
手軽に摂取できるうえ、バナナの糖質がアミノ酸の吸収率を高めてくれますよ。バランスよく適切な量を摂取し、うつ病を遠ざけたいですね。
授乳中で摂取量が気になる方はこちらも参考に。
まとめ
- 引越しによる様々な変化で引越しうつに陥る可能性がある。
- 原因となる状況や性格が多く当てはまる方は、特に注意が必要。
- 一番の治療法は充分な休養を取る事。
- 自分で判断せずに不安な時はカウンセリングを受ける事が大切。
- 周りの方に当てはまる場合にはサポートが必要になる。
- 気をつけたいポイント
-
- 時間とお金にゆとりを持つ
- 新しい知り合いを作る
- とにかく出掛けてみる
- うつを遠ざける食事
引越しうつは、新しい環境や生活に慣れ、気分が変わっていくにつれて、症状が改善していきます。
決して無理をせず、身近にいる方の場合は周りのサポートがとても大切なので、徐々に慣れていけるようにしっかりと支えてあげて下さいね。
引越しのような大きな変化に直面した時、人は心構えの見直しを迫られます。多くの場合、自分にとって今必要なものとそうでないものは何なのかについて、改めて考える機会になりますよ。
環境の変化に対応するのはなかなか大変な事です。しかしそういった機会に、よりさまざまな見直しが出来る事は、引越しのメリットだと考えて、構えずスムーズに乗り越えられると良いですね。