独り身や夫婦だけの引越しでもあれこれと手続きや荷造りは大変ですが、子供連れ、それも幼児を連れての引越しはほんとに大変ですよね。
荷造りをしようとしても、子供の機嫌や体調・予測不能な行動に振り回されて、なかなか計画通りに進みません。
幼児期は1歳~未就学時までの長い時期をいいます。おおまかに前期後期に分けて、発達の違いを理解することで、引越しによる環境の変化がどのように子供に影響を及ぼすのかを考えていきましょう。
また、保育園・幼稚園・こども園などの通園も視野にいれて、引越し時期を考えていけるといいですね。
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幼児前期(1~2歳)の引越し
幼児前期の特徴
乳児前期の子供はハイハイを経て歩くようになります。そうすると、ずっと寝ていた赤ちゃん時代から一転して行動範囲がすごいスピードで劇的に広くなります。
そして、いろんなものを試したい!触りたい!覚えたい!と、とにかく触ったり口に入れたり好奇心が旺盛です。他にはトイレトレーニングが始まったりしますが、まだおむつやトレーニングパンツが欠かせません。
言葉もどんどん覚えていきますが、本当の言葉の意味を理解するところまではいかない時期です。そして、二歳半ごろになるといやいや期が始まります!
なので、この時期の引越しはとてもストレスがかかるので大変です!できれば避けたいですね。
しかし、引越しをする時期は選べないことも多いでしょう。どうしても都合でこの時期に引越ししないといけない場合には、
- 危険防止
これが一番大事です!
- この時期のストレス対策
に注意して乗り切りましょう!
危険防止
なんでも手に取ったり、口にしたりしがちなこの時期の子供。引越しの荷物の中には割れ物があったり、掃除に必要な薬品は毒性が強かったりするので、こどもが触ったり舐めたりすると大変です。できれば、荷物の梱包はこどもを預けて一気に行いたいですね。
手早く行うために計画を立てていきたいところですが、計画通りにならないの理由の一つが子供です。機嫌が悪くなったり、体調を崩す事もあるからです。スケジュールに余裕を持って計画していきましょう。
荷造りにかかった『日数』をお尋ねした結果をご紹介します。
全体の平均は6.4日、単身は4.9日、家族は8.0日となりました。
どれも1週間前後と、比較的タイトなスケジュールで荷造りを済ませていることが伺えます。(中略)
家族引越しの人数別では、2人は7.6日、3人は7.9日、4人は9.0日、5人以上は8.5日となりました。
引用:引越し時の荷造りに関する調査|引越し見積もりサイト引越し侍
と、家族での引越しの荷造りには平均8日かかるようです。1~2歳の子供がいるご家庭では、もう少し余裕が必要でしょうね。
子供を預けられる日取りも調整が必要ですね。危険なものを梱包するとき、掃除で薬品を使うときだけでも子供を預けられる方法を考えましょう。
荷造りの手順やコツはこちらを参照してください。
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幼児前期のストレス対策
引越しの意味はわからなくても、環境がかわったことは敏感に感じます。
寝る部屋が変わった、それだけでも子供にとってはストレスになります。夜泣きや排泄の失敗などが多くなることがあります。
また、引越し準備にママが忙しくなると、かまってほしくて、普段よりもわがままになってしまったり泣くことが多くなるかもしれません。こういう時期だからこそ、しっかりスキンシップをとってあげたいですね。
また引っ越した家によっては、アレルギーやシックハウス症候群の症状が子供に現れることがあります。こうした体調の変化にも注意が必要です。引越し先の近くの小児科を探しておくと慌てなくていいですね。
シックハウス症候群とは(中略)
新築の住居などで起こる、倦怠感・めまい・頭痛・湿疹・のどの痛み・呼吸器疾患などの症状があらわれる体調不良の呼び名。
幼児後期(3~6歳)の引越し
幼児後期の特徴
このころになってくると、自分のことがだんだんと一人でできるようになってきます。
なぜ?どうして?と質問も多くなり、言葉の理解もできるようになってきますね。引越しするということの意味も少しずつ理解できるようになっているでしょう。この時期以降なら、引越しに向いているともいえます。
社会性も出てきますので、友達と一緒にあそぶということができるようになります。それが逆に、引越しによる「親しい友達との別れ」がストレスになりはじめる要因でもあります。
この時期の引越しでの注意点は
- 引越しの意味をちゃんと伝えながらできることはさせる
- この時期のストレス対策
成長に合わせてできることをさせる
人の言っている言葉や、気持ちを理解し始める時期です。正確にはわからなくても、「お家の場所がかわること」、そして「今のお友達と距離が離れてしまうこと」を理解できるように説明していきましょう。
そして、お手伝いや身支度を通して、自分が家族の一員として認められることに喜びを感じ始める時期でもあります。引越しの荷物の梱包や整理も、できるところは自分でさせて「できていること」を褒めてあげましょう。そして、「手伝ってくれてありがとう」と伝えましょう。
幼児後期のストレス対策
上記でも触れましたが、お手伝いなどでできたことを認められることに喜びを感じ始める時期なので、できたことをしっかり褒めてあげましょう。
この時期で最も心配なのは、親しいお友達・ご近所の方々との別れと、新しい環境下での人間関係の構築のストレスです。学童期に近づけば近づくだけ、友達同士の関係が親密になっていきます。
引越し前、親しい友人と離れたくないというかもしれません。それは、それだけ子供が友達との関係を深く築くことができているという証でもあります。そういう成長を喜び、その気持ちを大事にしてあげたいですね。「〇〇ちゃんと仲良くなれてよかったね。お友達のことをそう思えるあなたなら、新しいお家でもきっといいお友達ができるよ。」と声をかけてあげましょう。
引越し後、子供は子供なりに懸命に新しい環境になじもうとしています。ここで注意したいのは、「もう慣れた?」「もうお友達はできた?」とせかさないことです。
ママも一緒に外に積極的にでかけて、子供の目線でいろんなものを見て、早く一緒に環境に慣れていきたいですね。
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幼児期の引越しに伴う手続き
引越しに伴う手続き
幼児を連れての引越しの手続きには、以下のようなものがあります。
- 児童手当の住所変更手続き
-
乳児医療費助成金の変更手続き
- 幼稚園・保育園の転園(入園)手続き
- 保険証の変更手続き
など
それぞれの自治体で児童手当・乳児医療費助成金の適応年齢や必要書類が違ったりしますので、事前に引越し先の自治体のホームページなどで確認しておきましょう。(課税証明書が何通いるのかなど)
国民健康保険の場合は、引越し前で資格喪失手続きをし、引越し先で加入手続きをします。
引越しをして、14日以内に届け出をしないといけないものもありますので、早めに役所に行きましょう。
保育園・幼稚園・こども園は?
保育園・幼稚園・こども園の違いについて
幼児期にこどもを預かってくれる施設には様々なものがあります。従来の保育園・幼稚園に加えて、平成18年から両者を合わせた機能を持つ「認定こども園」というもの出てきました。
ここでは簡単にそれぞれの違いを説明しておきます。
※1:保育の必要な事由
- 就労(フルタイムのほか、【パートタイム、夜間、居宅内の労働など】)
- 妊娠、出産
- 保護者の疾病、障害
- 同居又は長期入院等している親族の介護・看護
- 災害復旧
- 【求職活動(起業準備を含む)】
- 【就学(職業訓練校等における職業訓練を含む)】
- 【虐待やDVのおそれがあること】
- 【育児休業取得中に、既に保育を利用している子どもがいて継続利用が必要であること】
- その他、上記に類する状態として市町村が認める場合
※2:こども園の認定区分
1号認定:教育標準時間認定・満3歳以上 ⇒ 認定こども園、幼稚園
2号認定:保育認定(標準時間・短時間)・満3歳以上 ⇒ 認定こども園、保育所
3号認定:保育認定(標準時間・短時間)・満3歳未満 ⇒ 認定こども園、保育所、地域型保育
※1・2とも引用:内閣府HP(「よくわかる子供・子育て支援新制度」)
選ぶポイント
お子さんの年齢や保育の必要性の有無などで、まずどの施設に入れるのかどうか。
しかし、一番は「空きがあるかどうか」にかかってきます。引越し前から認可保育園の申し込みをすると、「保育の必要性」のポイントが減算されることもあるそうです。(自治体にもよります)また、手続きが前年度の秋から始まっているところもあり、年度途中からの入園が難しいところもあります。複数の施設を組み合わせて、希望のところに入所できるのを待つ必要もあるかもしれません。
その他気になること
入園・転園に伴い発生するお金の問題があります。保育料のほかに、制服やバッグなどの購入が必要になります。引越し費用も大変ですが、こうした出費も痛いですよね。
おさがりに抵抗がなければ、ジモティーなどで探してみたりする方法もあります。
また、転園する子からお友達へプレゼントを贈るのが通例になっているところもあるそうです!禁止している園もありますが、もしも該当するのであれば、周囲によく聞いて準備しないといけませんね。
まとめ
- 幼児期は前期と後期があり、発達段階によって引越しの注意する点が違います。
- 前期は本来引越しに向かない時期ですが、都合により引越しをするときは危険防止が一番大事です!
- 後期は引越しのお手伝いをさせたりしながら、自立を促すチャンスでもあります。
- 後期は「友達と別れることのストレス」を感じ始める時期です。
- 保育園・幼稚園・認定こども園への入園・転園は、空きがあるかが一番のポイントですが、選べるのであればそれぞれの特性を知って選択しましょう。
子供を連れての引越しは、ほんとに大変だと思います。親御さんもお子さんも、早く環境の変化に慣れて、新しい場所での生活を楽しめるようお祈りしてます!